現在、日経ビジネスPLUSにて「教養として学ぶべき『ビジネスフレームワーク』」を連載している、グロービス経営大学院教員の嶋田毅氏。多数のベストセラーを持ち、人気授業を受け持つ教員の一人だ。

 そんな嶋田氏が教壇に立つグロービス経営大学院と、本の要約サイトを運営するフライヤー(東京・千代田)が共同開催した「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」。本グランプリにおいて、『ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる』(ジム・コリンズ、ビル・ラジアー著、土方 奈美訳、日経BP)がマネジメント部門賞を受賞した。

 『ビジョナリー・カンパニー』といえば、経営者が読むべき必須書籍。シリーズの原点とも言える本書の読み解き方や、この後に読むと効果的な本は何なのか。嶋田氏に聞いた。

『ビジョナリー・カンパニーZERO』が「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」にて受賞作となりました。その他の受賞作は、イノーベーション部門賞受賞『プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる』(尾原和啓著、幻冬舎)、ビジネス実務部門受賞『超ファシリテーション力』(平石直之著、アスコム)など、わりと新しめの本になりますよね。そんな中で、ビジョナリー・カンパニーZEROがなぜ選ばれたのでしょうか。

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)

嶋田毅氏(以下、嶋田氏):ビジョナリー・カンパニーの1冊目は1995年に出版されており、25年以上前の本です。このシリーズ全体に言えることですが、筆者なりのフレームワークが分かりやすく定義されていることが受賞作に選ばれた理由ではないでしょうか。学術的には知られていることであっても、実例を交えて読者に対してより簡略化して伝えることができている。しかも、その内容が発売当時のバブル崩壊後からコロナショックの今まで、変わらず価値あるものになっているため、長く読まれるベストセラーになったのだと私は考えます。

 ビジョナリー・カンパニーの原点は日本未翻訳の原書『ビヨンド・アントレプレナーシップ』ですよね。そちらを元に『ビジョナリー・カンパニーZERO』を出版するに当たって加筆されたパートが多く感じられ、時勢を反映した内容になっています。

 最近は人に対する関心が高まっていますが、そこの部分がかなり厚くなっています。グロービス経営大学院の学生の中にはジム・コリンズのファンも多くいるので、翻訳版が発売された2021年8月ぐらいから少しずつ話題にはなっていました。

嶋田氏から見て、本書はどのような人に向いていると思われますか?

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)

嶋田氏:自分の武器となる学びを得たいと考える人、これから会社を立ち上げるような起業家、プレイングマネジャーとしてプロジェクトを引っ張っていくようなリーダー層でしょうか。新社会人にはまだ分からない分野の話もあるかと思いますが、社会人として経験を積み、社会や組織の仕組みが見え始めたらこの内容が刺さってくるのではないでしょうか。起業や経営に必要なマインドやフレームワークを学ぶことが可能です。

 特に、NEXT GAFAM(MAMAA=メタ、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、アップル)を狙う野心的な目標がある人は必須です。

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