あと2つの要素──強みと面白いことに加えて

 さて、では、「強み」と「面白いこと」の2つを満たしていれば幸せなのでしょうか。欧米で流行っている〈ikigaiベン図〉によると、あと2つの要素がありそうです。

 「生きがい」という言葉は、日本では、やや古臭い表現であるように感じられると思いますが、意外と欧米の人は「ikigai」という日本語を知っています。

 英ミドルセックス大学の教授に言われました。「デンマーク語のヒュッゲ(楽しい時間、居心地の良い空間)のような幸福感よりも、日本人のikigaiのような幸福感のほうが深くて素晴らしい」と。彼の話によると、ikigaiという日本語は「利他的に社会に貢献することを通して感じる幸福感」というニュアンスで欧米に伝わっているようです。

 現代日本では、「生きがいは旅行」「生きがいは盆栽」のように、特に利他的ではない趣味について語るときにも使う言葉なので、欧米に広がっているニュアンスに私は驚いたものでした。

 さて、欧米で広まっている〈ikigaiベン図〉を見てみましょう(図表1)。

 ikigaiベン図では、「What you are good at」「What you love」「What the world needs」「What you can be paid for」の4つが円で描かれています。それぞれは重なり合っていて、4つの円の重なり合った中央の部分が「生きがい(ikigai)」であることを表しています。

 それぞれについて見てみましょう。

 「What you are good at」は、直訳すると、あなたが得意なこと。まさに強みです。次の「What you love」はあなたが好きなこと。言い換えれば、先ほどから述べてきた面白いことですね。そして「What the world needs」は、社会が必要とすること、「What you can be paid for」とは、あなたが収入を得られることです。

 つまり、「強み」と「面白さ」に加えて、「社会が必要とすること」「収入を得られること」の2つも満たしていると、「生きがい」とも言うべき幸福感が得られるというわけです。

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