音楽が鳴り響いている間は踊り続けるしかない

今暴落したら、どれくらいのインパクトがあると予測しますか?

澤上氏:個別企業や個人への影響は、バランスシートで考えてみればいいでしょう。株を買いまくって売っていないのですから、資産勘定が異常に膨れ上がっている状態です。バブルが崩壊した時には、売ろうと思ってもなかなか売れません。だから、巨額の投資損失とともに負債勘定だけがまるまる残る。バブルで踊った全ての人に降りかかってくる悪夢です。バブル相場を利用してレバレッジを効かせて借金を増やしているような会社は、厳しい状況に追い込まれます。なんとなくはわかっていても、誰もブレーキをかけようとしない状況と、私には見えます。音楽が鳴り響いている間は踊り続けるしかない、と。

一方で実体がしっかりしている企業は大丈夫だということでしょうか。

澤上氏:内部留保をしっかり確保するなど財務体質がしっかりしていたり、消費者の生活に密着した事業を展開し、本業で日銭を稼いだりできるような企業にとっては、株価が若干下がること以外には影響はない、とも言えます。むしろ、株価的には追い風が吹くこともある。過去のバブルを見ていると、崩壊後でも生き残った投資マネーは、バブルとは関係なく健全な経営をしてきた普通の会社に流れます。どんなときでも行き先を探して動き続けるのがマネーの本質でもありますが、いわゆる見直し買いが起こるのです。

相場英雄さんの新刊『Exit イグジット』でも、出口が見えない日本の金融政策の危うさを描いています。政府にも日本銀行にも財政規律を守らなければならないという発想はなくなり、状況は坂を転がるように悪化していく一方です。しかも今は、「新型コロナ対策」という大義名分があるため、いくらでも財政出動が可能です。どうすればいいと思われますか?

澤上氏:経済というのは、もともと自助努力です。バブルがはじけようがはじけまいが、本来関係ない。だから、生活密着型の企業からは新しい動きが出てきます。

 何が起ころうとも、人々の暮らしは続くのですから。私は若い人には、「大河小説を読もう」と勧めています。たいがい主人公とその家族が激動の歴史に巻き込まれる物語が多いのですが、同時に、その背景で一般庶民の生活は何も変わらずに営まれている姿も描かれています。そっちを見る感覚を忘れるな、と。

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