星野リゾートの星野佳路代表がライフワークとしている、ファミリービジネスの研究。2019年刊行の書籍『星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書』を踏まえ、その後の研究成果を、前回に引き続き、お届けする。
今回のテーマは「兄弟経営と仲裁役」。
伝統工芸の世界に新風を吹き込む玉川堂(ぎょくせんどう/新潟県燕市)の玉川基行社長と星野代表には「弟と二人三脚で経営している」という共通点がある。仲がよい兄弟であっても経営をめぐって意見が分かれることはあり、ときに緊張が走る。そのようなとき、どうするのか?
(構成/小野田鶴)
星野佳路氏(以下、星野):玉川堂は、兄弟経営ですね。
玉川基行氏(以下、玉川):はい、弟が専務で工場長です。私が営業と経営を担当し、製造現場は、弟が取り仕切っています。
星野:ご兄弟の仲は?
玉川:基本的にはよいですが、一緒に会社をやっていればやはり、いろいろなことがあります。
星野:意見が分かれて、緊張が走るときもあると?
玉川:ええ。
星野:分かります。私も弟と一緒に経営していますから。
玉川:そうでしたか。どういう役割分担なのですか。


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