確かに自社製品に高評価のやらせレビューを書いてもらうことが、競合相手を上回る評価を獲得する唯一の方法ではない。競合相手の評判を落として、自社の評価を相対的に高める方法もある。そしてそれはアマゾンなどのオンライン店舗だけでなく、飲食店や医療クリニックなど、実店舗でも横行している。

実店舗の口コミ代行業を手がける佐野真三郎氏(仮名)が詳しく解説してくれた。
「『近くの競合店が邪魔なので、悪口を書き込んでほしい』などという依頼は珍しくありません。美容整形クリニックや審美歯科クリニックが特に多い。外見に手を加えるため、患者は絶対に下手な医師には施術してほしくないという思いが強く、ネットの評判を気にしています。そこを逆手に取って、競合店の評判に傷をつけようとするのです。クリニック以外では、飲食店からも競合店の悪口を書き込んでほしいという依頼が舞い込みます」
高評価と低評価の殴り合い
何だか、悲しいですね。飲食店の場合、投稿先は主に食べログですか?
「そうですね。食べログもあります。ただ最近、食べログは辛辣なレビューを監視し、削除することが多くなっています。悪口は載せにくくなってきました」
クリニックの場合、悪口の投稿先はどこになるでしょう。
「グーグルです」
グーグルは店舗のレビューを受け付けており、グーグルマップで店を検索したときや、通常のグーグル検索画面に表示している。そこには競合相手からの中傷が多く載っているという。
「グーグルに高評価のやらせレビューを投稿すると、その直後に競合相手が低評価のやらせレビューを付けたります。さらにそれに反論するやらせレビューを載せるなどということを繰り返しています。これは高評価と低評価のやらせレビューによる殴り合いです」
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