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 しかし大多数の人は、そして特に日本人は、仕事以外に情熱を費やすものを持っていない人が多いのではないでしょうか。だったらプロフェッショナルに仕事に向かった方がいいはずです。なぜなら、どうせやらなきゃいけないことだから。どうせ1日の時間の3分の1以上を仕事に費やすわけですから、真剣勝負した方がいいと思いませんか。失敗したって、チャレンジした方が、その後のキャリアにつながります。

 問題は、チャレンジせず、差別化を図ることもなく、やらされ仕事を続けている人が、人の上に立ったときです。その部署は迷走し、仕事はつまらなく、何も変わらないまま次の人に引き継がれるでしょう。そして何も成長しない。これが平成の30年間、多くの日本の大企業の内部で起こってきたことだと思います。

不安は正常、不安があるからこそ前進を考える

 この対論を読んでいる人は、日本の将来はどうなるのか、日本の各産業に未来はあるのか、自分の会社はどうなるのか、自分のキャリアはどうすればいいのか、ということになにがしかの不安を抱いている方々だと思います。

 それは正常な不安です。将来に不安がない、ということは現状が心地よすぎるということです。現状が心地よいということは自分のポテンシャルな能力を発現しないまま生きているということです。不安があるからこそ前進を考えます。前進を考える人は「自分事」として課題にチャレンジします。課題を解決したいからです。

 そして自分事として仕事をした人は、その仕事の経験が次につながります。本気で取り組んだことは何であっても、必ず肥やしになっていきます。そういう経験を積み重ねれば、間違いなく、今見えていない世界が見えてきます。そしてまたその課題解決のために全力で取り組むのです。

 そしてきっと引退するときに、こう思います。

 いろいろやってきたけど、思い通りに行くことばかりではなかったけど、まあやれることは全部やったかな。いいキャリアだったかな。

 こう思えることがプロフェッショナルビジネスパーソンとしての最大の、そして最上の喜びなのでしょう。