
最近、コミュニケーションに関して、対照的な2つの出来事があったので紹介します。
1つ目は、Slackに関わるものです。Slackは、ひとことで言えば「仕事向けのチャット・サービス」。最近は電子メールに代わるコミュニケーション・ツールとして、IT(情報技術)企業だけでなく、一般の企業でも広く使われるようになってきた、注目のサービスです。
とあるプロジェクトを始めるに当たって、Slackのワークスペースを作り、関係者を招待してそこでコミュニケーションを始めたのですが、なかなかうまくいかないのです。私や、私と昔から仕事をしているエンジニアは、ごく普通に意見を書いたり議論を戦わしたりするのですが、そうでない人(特に文系の人)はめったに発言してくれないのです。
そして何かというと、Zoom会議をしましょう、と言い出すのです(私が日本にいたら、「会って話をしましょう」になっていたと思います)。Slackのようなコミュニケーションツールが何のためにあるのか全く理解しておらず、がっかりしました。
Slackは、途中から会話に参加した人が時系列で情報を追うのが難しいなど電子メールが持つ煩わしさをなくし、会議を減らすことで、一人ひとりの生産性を極限まで高めるべく作られたツールなのです。それを全く理解していないから、Slack上で発言をせずに「細かなことは会議で話しましょう」になってしまうのです。
細かなことこそSlack上で丁寧に議論し、時間が限られた会議ではできない深いレベルの意思疎通を実現すべきです。
電話もメールもなしで、ハワイのコンドミニアムを購入
2つ目の事例は、ハワイの不動産会社とのコミュニケーションです。ワイキキにコンドミニアムを買おうと思い物色を始めました。物件の数が多いので、Google Drive(Microsoft Officeと同様の機能を持つサービス)にスプレッドシートを作り、そこにめぼしい物件の住所、間取り、値段、広さなどを記入して管理していました。
その後少しして、ハワイの不動産会社(担当は40代後半のイタリア出身の女性)を紹介してもらったので、「彼女に使いこなせるわけがない」と思いつつ、そのスプレッドシートのURLをシェアしてみました。
すると驚いたことに、彼女は私がやっていたことをすぐに理解し、新しい物件を追加してくれたり、私が得ることができなかった情報などを補足してくれました。そのおかげで、その後の彼女とのコミュニケーションがとてもスムーズにできました。
Google Drive上のスプレッドシートを共有すると、複数の人が同じデータにアクセスできるだけでなく、変更もリアルタイムになされるので、この手の作業をするときに使いこなすととても便利なのです。
結局、彼女とは一度も電話で話すこともなく、電子メールとGoogle Driveを通じて物件選びをすることができました。
私はこれまで、技術者相手にGoogle Driveを活用したことはありましたが、不動産会社に勤める文系の人と使いこなすことができたのは初めて。とても感動しました。
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