パワハラなどのハラスメントが社会問題化して久しいが、まだ横行しているのではないだろうか。無自覚のハラスメントは組織力の低下を招き、ビジネスに大きな損害をもたらす。今回はパワハラに関する事例や対処法の記事を解説する。

伊調選手へのパワハラ、師弟関係に潜む危険性

 大きな注目を集めた伊調馨選手へのパワハラ問題は、レスリング関係者の告発状によって発覚した。栄監督と伊調選手のコンビはオリンピックでも好成績を残していただけに、このパワハラには驚きを隠せない。

 では、パワハラはどんな人が起こすのだろうか。パワハラが起きやすい環境もあるという。

パワハラを起こしやすい人 起きやすい職場

 都道府県労働局の労働相談のうち、トップはいじめや嫌がらせといったハラスメント問題だという。だがパワハラが増えているわけではない。単に問題が表面化しただけだ。さらに企業の業績悪化によるストレスがパワハラに向かわせる要因ともなっている。

 業務上必要な注意や叱責はパワハラには当たらない。しかしパワハラを起こしてしまう人は、ハラスメントに対する意識が低く、度を超えた叱責などをしている。ただ、パワハラを起こしやすい人もまた、営業目標などのストレスにさらされていることも多い。

「人を傷つけずにいられない」組織的パワハラ

 パワハラは個人だけの問題ではなく、組織的な問題だという。フランスではわずか1年8カ月の間に24人の社員が自殺するという「事件」があった。フランスではこのような事例が2008年から見られるようになり、社員の遺書には「会社が求める仕事のペースに耐えられない」と書かれていたという。

 連続自殺について、フランスでは「組織的モラハラ」という認識が広まった。一方、日本におけるモラハラ、パワハラ問題はどうか。日本に欠けているのは、組織的モラハラという視点ではないだろうか。

パワハラを防ぐのは、世間ではなく、あなたです

 組織的パワハラや上司と部下の間の個人間のパワハラを防ぐにはどのような方策が考えられるのだろう。パワハラは日常に潜んでおり、自然と起こり誰も気付かない。パワハラを行う者も被害者も、ハラスメントだと気付いていないことも多々あるのだ。配慮のない発言、冗談のつもりだった、世間では問題ないという認識。あらゆる要素がパワハラを自然に起こしているのだ。

 だがしかし、職務上必要な注意叱責はパワハラではない。パワハラにならない叱り方や配慮の方法はどのようなものだろうか。

「パワハラ」にならない叱り方

 人前でこき下ろすような叱り方はパワハラだと言われるだろう。2012年には全国の労働局に寄せられた相談内容のトップが「いじめ・嫌がらせ(パワハラ)」になった。心の健康について不調を訴える社員へのカウンセリングから、上司のパワハラが判明することもある。

 叱り方にはコツがある。まずは「私」を主語にして話すことだ。また感情的にならないことや理由を話すことも大切である。本記事では「パワハラにならない叱り方のコツ」を紹介している。

華僑流「言わずに育てる指導」でパワハラ回避

 経営者、管理職からは「パワハラは指導との線引きが難しい」という声がある。パワハラの定義は国によって異なるが、あらゆる国で生き抜いている華僑には学ぶところが多い。華僑の中でも大物と言われる人物に弟子入りした著者の大城太氏は、「師はいつも黙って私の行動を見ているだけ」だったと語る。そして「どこでつまずいたか、分かりますか?」と尋ねることで、教えていたのだ。

 言わずに育てる。これであれば弟子がパワハラと感じることはないだろう。ビジネスの現場でも、華僑から学ぶことは多い。

どうして残業禁止が“新型パワハラ”なのか?

 パワハラについて、上司の圧力や過度の叱責について述べてきたが、部下のやる気をそぐような発言もまた、ハラスメントである。本記事では、「仕事はほどほどでよい」、「目標達成に無理しなくてよい」などと執拗に言い続けることを新型パワハラと呼んでいる。

 モチベーションが高く、目標達成意欲も高い社員に対してやる気をそぐような発言をすることは、逆にモチベーションの低下につながる。パワハラの定義によれば、合理性のない過小な要求をし続けることも、ハラスメントなのだ。

最後に

 パワハラ問題は上司のハラスメントに対する認識不足や部下とのモチベーションの差によって生まれることが多いようだ。しかし本記事で紹介したような対処法はある。

 ハラスメント問題をどのように捉えて対処していくのか、ビジネスを加速する上で避けて通れない問題ではないだろうか。

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