バブル崩壊直後の1990年代から続く「失われた30年」。経済成長が長期にわたり停滞、もしくは微増にとどまる原因についてはさまざまな指摘があるが、このままの状態が続けば「失われた40年」に突入してしまう可能性もある。ここでは失われた30年について、過去記事から注目のトピックを紹介する。

バブル崩壊後に始まった「失われた30年」

 失われた30年とは、バブル崩壊後の90年代初頭から現在までの期間を指す。この30年間は高度経済成長期や安定成長期のような成長が見られず、経済の低迷や景気の横ばいが続いている。

 日経平均株価の89年12月29日の終値は3万8915円87銭だったが、2019年12月30日の終値は2万3656円62銭。東証1部の株式時価総額も1989年末は約590兆円だったが、2019年末は約648兆円となっている。人口も約1億2325万人(1989年10月)から約1億2618万人(2019年11月)と横ばいだ。

 失われた30年の原因については諸説あるが、多くの専門家が指摘するのは「問題を解決しない限り、失われた30年は失われた40年になる」という危機感だ。

 この記事では失われた30年をテーマに、日本の現状とそこから脱却するヒントについて過去記事から振り返る。

東京の中間層世帯は、日本で最も豊かではない?

 かつては物価と賃金の高さで注目されていた東京。しかし経済団体連合会の中西宏明会長(記事公開当時)は、日本の賃金水準は、経済協力開発機構(OECD)の中でも相当下位にあると指摘。実際、主要7カ国(G7)の中では最下位だ。

月曜に命絶つ50代増の衝撃 家族にも会社にも言えない本音

 中高年が月曜日に自殺を図る「ブルーマンデー」という現象がある。厚生労働省の「令和4年版自殺対策白書」によると、日本のブルーマンデーは、失われた30年に突入した頃から発生しているという。その原因の1つとされるのが、「対処する環境が日本にない」ことだ。

製造業、高揚感なきV字回復 20年ぶり円安水準も先行きに不安

 新型コロナウイルス感染症の流行拡大により業績の低迷が続く製造業界だが、記録的な円安により、輸出ウエートが高い企業は業績がV字回復しているという。しかし売り上げの向上はあくまで円安由来で、今後も同様の傾向が続くかは不透明だ。むしろ米国の金利上昇、資源の高騰、ウクライナ危機といった不確定要素が多く、この状態がいつまで続くか不安の声が聞かれる。

独自調査で判明「ジョブ型に半数が賛同」、断て!失われた30年

 失われた30年の間も、多くの企業は日本型雇用の修正に挑戦してきた。しかし年功序列・終身雇用・企業別組合という慣習を崩すには至らず、失われた30年が継続している。一方、この現状を打破する手段として注目を集めているのが、メンバーシップ型から「ジョブ型」への転換だ。

Web3.0が迫る分散型社会 日本の難題をどう乗り越えるか

 日本を変えるには「世界的なビッグチャンスであるWeb3.0に向かわなくてはならない」という指摘がある。しかしWeb3.0が生み出すブロックチェーン(分散型台帳)上にある分散型アプリケーションに対応できる企業や開発者は少ない。

日本企業「失われた30年」からの脱却はもうラストチャンス!

 日本貨物航空(NCA)の社長やJR貨物の会長を歴任してきた石田忠正氏(現在は相談役)は、「今が失われた30年をから脱却するラストチャンス」と語る。同氏によると、失われた30年の原因は、人々の「やる気」や「働きがい」が世界的にも低い水準に落ち込んでいるためだ。改善するには、日本企業の「古い体質」「変われない空気・組織風土」「あきらめ感」を打破することが必要だという。

最後に

 バブル崩壊後から現在まで、日本経済は30年間にわたり低迷してきた。このままでは「失われた40年」の到来が現実味を帯びる。日本経済がどのように推移していくのか。国や企業の取り組みに注目していきたい。

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