ビジネススキルを持つ個人と、スキルを必要とする法人や個人をマッチングするビザスク(東京目黒)。2012年の設立後、右肩上がりの成長を続け、10年足らずでマザーズに上場。さらに同業の米国企業を買収した。今回は同社のサービスに対する需要と創業者のビジョンについて、過去記事から振り返る。

ビジネススキルに特化したマッチングサービス「ビザスク」

 ビザスク(東京目黒)はビジネス領域に特化したマッチングサービスを提供している企業だ。創業は2012年3月。「知見と、挑戦をつなぐ」というミッションの下、ビジネスの特定分野に知見を持つ個人と、その分野でのアドバイスが欲しい企業や個人を「スポットコンサルティング」サービスとしてつなげている。

 コンサルの対象となる分野はIT関連のナレッジからマーケティング、小売り、医療、保険など多岐にわたる。知識を提供する側にとっては副業のチャンス、アドバイスを受ける側は手軽で安価にノウハウを得られるとあって、利用者は右肩上がりに増えている。

 この記事では、ビザスクの創業間もない頃から20年のマザーズ上場、同業の米国企業の買収に至る記事を紹介する。

あなたの経験、カネにします

 ビザスクのサービスを一言で表現すると「経験をカネにする」ことだ。知識を提供する側にとっては副業のチャンスとなり、提供される側にとってはプロのコンサルタントに依頼するより手軽かつ安価にノウハウや情報を得られる。サービス開始からわずか2年程度で数十社が法人契約を結び、その中にはトヨタ自動車やパナソニックといった大手企業も含まれている。

 登録されている個人の「アドバイザー」(約3000人、14年当時)の半数が、日中は普通に働くビジネスパーソンだ。特別な審査や面接なしに、誰でもアドバイザーとして登録できる。社内では特別に思えない知識やノウハウでも、一歩外に出れば他人がお金を払ってでも欲しい情報に変わるのだ。

定年後、あなたの「経験」は金になるのか

 ビザスクはさまざまな分野の「スキル」を提供している。ちなみに19年に「売れた」スキルの上位10位は以下の通りだ(ランキングは、ビザスクでマッチングした回数を基に作成したもの)。

  1. 通信、IT
  2. マーケティング
  3. 自動車、自動運転、モビリティー
  4. 小売り
  5. 営業
  6. 建築・不動産
  7. 医療、介護、ヘルスケア
  8. グローバル
  9. データ
  10. 保険

 「最新の技術について要約して教えてほしい」「業界の動向を教えてほしい」といった全体感をつかむための依頼が多い。専門家から業界動向や技術動向をヒアリングし、自社にとってどんな影響があるか、どんなチャンスがあるかを確かめるためだ。また、アドバイザーは最新の技術を持っていなくても複数の専門性を持っていれば、退職後であっても「経験」や「知見」で活躍できるという。

ビザスク上場、100万人の「稼ぎたい個人」が織りなす未来の景色

 20年3月にマザーズ上場を果たしたビザスク。創業から8年で10万人のアドバイザーが登録し、マッチング実績は累計4.7万件を超えた。

 創業者の端羽英子CEO(最高経営責任者)はビザスクの強みについて「取引したい人だけが登録されているデータベース」と表現する。名刺管理サービスのデータベースとは違い、「登録者一人ひとりが誰かと取引してもいいと考えているという人たちの集積」は他にはないものだ。

 ビザスクは企業とのマッチングをしていく過程で、アドバイザーのいろいろな情報を付加していった。それがデータベースの厚みを増している。端羽CEOはビザスクの今後について「今の10万人を50万人、100万人と増やして、いずれは働く人なら誰でも登録するようなサービスにしていきたい」と語る。

ビザスク、コロナ禍でも追い求めた「世界の知見」

 ビザスクの快進撃が止まらない。21年8月には同社より売上高の大きい同業の米コールマン・リサーチ・グループを約1億200万ドル(約112億円、当時)で買収すると発表し、話題を集めた。

 新型コロナウイルスの影響下でも好調を維持した理由は、コロナによる「移動や人と会う自由の制限」が、オンラインと相性のよいスポットコンサルの追い風になったことにある。緊急事態宣言の解除後、リアルでの対面ニーズは復活したものの、端羽CEOはオンラインのニーズと可能性に自信を見せている。

最後に

 スキルを持つ個人とその情報を求める企業や個人をつなぐビザスク。12年の創業より右肩上がりの成長を続け、コロナ禍にあっても好調を維持している。これは、マッチングの過程で行うアドバイザーへのヒアリングによって収集した詳細な専門領域情報によるところが大きい。それがマッチングの精度の向上につながっている。アフターコロナの時代にこの強みを生かして、さらなる成長につなげられるか注目したい。

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