経営者の直感に頼らず、客観的な「データ」に基づいて経営判断を行う「データドリブン」。デジタル技術の発展でビッグデータが可視化されつつある現代、データドリブンな意思決定を行う企業が増えている。今回はデータドリブンの事例などを過去記事からピックアップして紹介する。

デジタル技術の発展とともに広がる「データドリブン」

 「データドリブン」とは、経営者の勘やセンスではなく、売り上げデータや解析データなどの各種データを活用して経営上の意思決定を行う業務プロセスのことを指す。データに基づく意思決定は以前から行われてきたが、近年のデジタル技術の発展によりビッグデータの可視化が進んだ結果、データドリブンは一層重要度を増してきた。

 データドリブンに欠かせないのはデータを読み解く人材だ。これらの人は「データサイエンティスト」や「アナリスト」などと呼ばれる。データドリブンは業界にかかわらず行われているため、データサイエンティストたちの活躍の場も、IT業界に限らずさまざまな企業に広がっているという。

 この記事ではデータドリブンに関する話題や実際の活用事例について、過去記事から振り返っていく。

IT産業の大物たちが「農と食」に投資する理由

 米国で注目を集めるAgriTech(アグリテック)。テクノロジーを導入した農業を指す言葉で、具体的にはデータの正確な把握や分析により生産効率を上げること、ソフトウエアの力でオペレーションを効率的に回すことを特徴としている。

 農業の現場でデータドリブンの活用が進む背景にはいくつかの理由があるという。主な理由には、世界人口の増加により食料生産力の向上がいよいよ必要不可欠になっていること、気候変動によるリスクを緩和するためにテクノロジー活用が不可欠であること、そして若い世代の価値観が変化していることなどが挙げられている。

製造現場にデータサイエンティスト。複雑な現場を情報が変える

 製造現場でのデータ活用も広がっている。たとえば三菱ケミカルホールディングス(HD)では傘下の製薬会社にいたデータサイエンティストたちが集まり、最新デジタル技術の応用普及を通して三菱ケミカルHDグループ全体の変革を進めている。ブリヂストンやNECといった企業でも、それぞれデータサイエンティストの採用やデータサイエンティストからなる部署の設置に力を入れ、データドリブンの活用を推進しているという。

環境変化に強くなれ。イマドキの育成術

 アフラック生命保険もデータドリブンに力を入れている。2020年には25人、21年には計120人の予定で研修を実施。データ分析に必要な知見やスキル、実業務の課題解決に向けたデータ活用力などを約半年間かけて身に付けさせ、データ活用の旗振り役となり、全社にデータドリブンを浸透させる「データアンバサダー」にしていくという。

一休、売り上げ12%増に秘策 “2軸レコメンド”の威力とは?

 オンライン予約サイトの一休は、社長の榊淳氏自らが「データサイエンティスト」としてデータドリブンを実践してきた。同社ではユーザーの閲覧・予約履歴などのデータに基づいて会員ごとにパーソナライズしたページを表示する「レコメンド機能」を強化しており、結果として「サイト全体で12%もの売り上げ増」につながったという。

2020年、「データジャーナリズム元年」への期待と懸念

 データドリブンはジャーナリズムの世界でも活用されている。取材する側が膨大な定量データ・定性データを分析して新しい事実を突き止める調査手法は「データドリブン・ジャーナリズム」とも呼ばれ、その報道は時に国を動かすほどの影響力を周囲に与えているという。

最後に

 客観的なデータに基づき、経営上の意思決定を行うデータドリブン。データサイエンティストがビッグデータなどの膨大なデータを活用し、ユーザーの行動や嗜好を分析する。データドリブンは業種や業界を問わず多くの企業に活用され、中には売り上げ増など、目に見える成果を挙げているところもある。今後の各社の取り組みに、引き続き注目していきたい。

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