イオングループに所属し、国内でも指折りの規模を誇るドラッグストア「ウエルシア」。インバウンドに頼らない経営姿勢や、グループ企業の強みを生かした品ぞろえを特徴としている。ここではウエルシアホールディングス(HD)の経営方針や新型コロナの影響について、これまでの記事を振り返る。

コンビニ化するドラッグストア「ウエルシア」

 ウエルシアは日本を代表するドラッグストアチェーンの1つだ。もともとは東京・埼玉の薬局チェーンが合併して誕生した小規模なドラッグストアだったが、2000年にイオングループの傘下に入り、2002年にブランド名をウエルシアに統一。2016年以降はドラッグストア業界でグループ売上高首位の座を争っている。

 同チェーンの特徴は、コンビニを意識した品ぞろえだ。イオン系列のプライベートブランド(PB)「トップバリュ」製品や弁当の販売、ATMの設置、さらには24時間営業の店舗を増やすことで、スーパーやコンビニの顧客を取り込んでいるという。

 この記事ではウエルシアHDの経営方針やコンビニとの競争とそのための工夫、新型コロナによる影響について、過去記事から紹介していく。

ウエルシアHD、爆買いに頼らぬ都心店

 大手ドラッグストアチェーンが中国人観光客の「爆買い」に頼る中、あえてインバウンドを意識しない経営方針を貫くウエルシアHD。2016年6月には日本橋に新形態の都心型店舗「B.B.ON」をオープンしたが、新店舗の雰囲気は他のドラッグストアのような「にぎやかさ」とは一線を画している。

 品ぞろえや機能が模倣されやすいドラッグストア業界でどのように「一歩先へ進んだ店づくり」をしていくか、同社では独自のビジネスモデルへの模索が続いている。

ドラッグストアがコンビニ化する必然

 独自のビジネスモデルとしてウエルシアHDが選んだのは「コンビニ化」だ。2016年2月に一部店舗で24時間営業を始めたのを皮切りに、弁当や総菜など、コンビニチェーンと同等の品ぞろえを進めている。

 これまでドラッグストアは「日用品の安売り」が強みだったが、市場はすでに飽和状態で、今後はコンビニとの競争が避けられない。一方で一部のコンビニも医薬品の取り扱いに乗り出しており、今後は両者の競争が一層激しさを増すと考えられている。

王者コンビニの弱点突く

 弁当や総菜、銀行ATMなどを備えるウエルシアHDの店舗。コンビニに対する勝算は、食品、特にナショナルブランドの商品を低価格で販売していることと、競合するコンビニより2割以上高いアルバイト時給による人材確保にあるという。

 24時間営業という営業スタイルでもコンビニに迫るウエルシアHD。同社会長の池野隆光氏は「セブンイレブンとアマゾンだけでは生活者のニーズは満たせない。当社の存在意義は必ずある」と語る。

ウエルシア「24時間、できないときは閉める」の柔軟策

 コンビニエンスストアの24時間営業が社会課題となる中、ウエルシアHDのユニークなルールが注目を集めている。同社では200以上の店舗が24時間営業を行っているが、「病欠などで深夜に必要な従業員が不足する場合、夜間に店を閉めても構わない」というのだ。

 加えて「希望する社員を夜間専従にする」「健康に配慮して夜間専従は半年から1年」「半年間のインターバル期間を置いて夜間専従に戻ることも可能」といったルールも、深夜の人手確保に役立っているという。

コロナ禍で欠かせぬ存在となったドラッグストア

 新型コロナでマスクや消毒剤、ウエットティッシュなどの需要が伸びる一方、ドラッグストア業界の売り上げは明暗が分かれている。

 2020年3月の既存店売上高が前年同月を上回ったのは、ウエルシアHDを含む7社。一方、マツモトキヨシホールディングスなどの3社は売り上げが減少しているという。その背景にあるのは、各社のインバウンドへの依存度だ。

最後に

 ドラッグストア業界でトップを維持するウエルシアHD。インバウンドに比重を置かない経営方針と、弁当・総菜・銀行ATMや24時間営業などコンビニと同様の品ぞろえや営業戦略で売り上げを伸ばしている。客層の変化や需要の増加など新型コロナによるさまざまな変化を乗り越えてきた同社が、アフターコロナの時代にどのような成長と変化を遂げるのか、興味を持って見守りたい。

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