仮想オフィスとは、インターネット上に設けたバーチャルな仕事空間のこと。テレワークで「出社」が可能で、社内の仲間とアバターを介してコミュニケーションを取れる。新型コロナウイルスの感染拡大で現実のオフィスへのニーズが減る中、利用者が増えている。今回は過去記事の中から、仮想オフィスに関する話題を紹介する。

バーチャルな出社が可能な「仮想オフィス」とは

 仮想オフィスとは、インターネット上の仮想空間にオフィスを設け、実際に出勤している感覚でテレワークをするツールやサービスを指す。仮想オフィスのサービスには国内外のさまざまな企業が参入し、2021年8月には米フェイスブックもベータ版サービスを開始するなど競争が激化している。

 仮想オフィスのメリットは、物理的に移動しなくても出社できること。現実のオフィスと同様、仕事の打ち合わせや会議、資料の共有、同僚との雑談まで可能。テレワーク中でも孤独を感じにくい。一方でコストや個人のPC環境など、仮想オフィスの普及には課題も指摘されている。

 この記事では、コロナ禍で注目を集める仮想オフィスに関する話題を、過去記事からピックアップしていく。

リモートワークは効率悪い?

 コロナ禍でリモートワークを導入する企業が増える中、リモートワークでは「うまくいかない」という声もある。原因は「出社組」と「リモート組」の混在、従来の働き方が「オフィスにいることを前提に最適化されたチームワーク」をベースにしていること、そしてリモートワークの「後ろめたさ」や「寂しさ」だ。

 社員が同じ仮想空間に出社してコミュニケーションする仮想オフィスは、こうした問題を解決する方法として期待を集めている。

話しやすい仮想オフィス

 経営コンサルティングを提供する白潟総合研究所は、「Discord」(ディスコード)というチャットツールを使って音声に特化した仮想オフィスを実現している。Zoomのように利用者の表情などは見られないが、音声だけの方が、従来型の会議や雑談と近い感覚になるという。

 加えて、音声のみの仮想オフィスでは「トラブル報告などが早く上がる」というプラスの効果があるという。相手の顔が見えない分、上司の顔色をうかがう必要もないからだ。同社は東京本社と大阪支社のオフィス契約を解除し、主に在宅で通常業務をする形に移行したという。

コロナ禍が引き寄せる「VR元年」

 コロナ渦による外出自粛やテレワークの拡大により、仮想オフィスなどバーチャル空間の利用が広がった。フェイスブックの「オキュラス・クエスト2」など、VR(バーチャルリアリティー)用ヘッドマウントディスプレーも売れている。

バーチャル宴会が進化 Zoom飲み会の一歩先

 仮想オフィスを「宴会」に利用しているケースもある。

 Zoomなどを使っていたオンラインの飲み会が、仮想オフィスでも実施されている。仮想空間の機能を利用して食事を自宅に届けるサービスも登場している。

「宴会需要、戻らない3割はバーチャルで」

 仮想オフィスシステムによる「バーチャル宴会」サービスを手がけるのは、東京都心や横浜で大規模な飲食店舗を展開していた銀座クルーズ。コロナ禍で宴会需要が減り、経営に大きなダメージを受ける中で、生まれたサービスだ。

 同社は、コロナ禍が収まってもリアル宴会の需要は7割しか戻らないと予想。残り3割の受け皿として「バーチャル宴会」に期待を寄せている。

フェイスブックが仮想空間に本腰

 フェイスブックは5000億円以上を投じて新たな仮想空間を開発し、自社のヘッドマウントディスプレーと組み合わせて利用を促進する考えだ。

 同社の仮想オフィス「Horizon Workrooms(ホライゾン・ワークルーム)」は、すでにベータ版サービスを開始。米国は、BtoB(企業向け)向け仮想空間の認知が一気に拡大したという。

最後に

 仕事だけでなく宴会での利用など、話題を集める仮想オフィス。コロナ後のニューノーマルでどこまで進化するのか、注目していきたい。

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