レンタルビデオ事業、そしてポイント事業を展開してきたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)。祖業を発展させた「蔦屋書店」や、各地の公立図書館の運営でも話題を集めるユニークな企業だ。今回は同社の事業と最近の動きについて過去記事から紹介する。

ポイント事業から公共事業まで手掛ける「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は「TSUTAYA」や「T-POINT」の運営で知られる。創業は1983年(蔦屋書店枚方店)。レンタルビデオショップの「TSUTAYA」の展開で成長し、ニーズの移り変わりとともにレンタル事業からポイント事業(Tポイント)へと事業転換を遂げた。

 CCCは現在、「カルチュア・インフラを、つくっていくカンパニー。」というミッションを掲げ、「蔦屋書店」、公共図書館などの指定管理を行う「公共サービス」、会員数約7000万人のTポイントをプラットフォームとする「データサイエンス」、そして「TSUTAYA」を運営している。

 この記事ではCCCのこれまでの取り組みと直近の動向を、過去記事から振り返っていく。

脱レンタル店の実像

 レンタルビデオショップとしてスタートした「TSUTAYA」だが、運営会社のCCCは「脱レンタル店」に舵(かじ)を切り、家電量販店との提携やカフェを併設した複合店舗などを生み出している。

Tポイント統一の波紋

 CCCの事業で広く知られているのが「Tポイント」だ。TSUTAYAなどさまざまな店舗で使える共通ポイントとして普及しているが、2012年のYahoo!ポイントとの統合発表は利用者や加盟店などに衝撃を与えた。両者は10年から一部ポイント事業で提携してきたが、その関係を強化し、13年をメドに双方が発行、運営しているポイントを統一するとした。ただし、CCC、ヤフーともに双方の合意を優先させており、「提携先への事前の連絡はしていない」とした。

誰が覇権を握るのか

 ヤフー(当時)と提携し、ヤフーが提供する全サービスでTポイントがたまるようになり、加盟店にとっても「ヤフーのメディア力」を活用できるようになった。共通ポイントの提携企業や利用者の増加により、購買情報などのビッグデータが膨大に蓄積されるようになり、データ分析によるマーケティング支援がポイント事業の主戦場になると見られた。

民間活用は自己責任で

 CCCは公共施設の運営も手掛ける。13年に佐賀県武雄市図書館の指定管理者となったのを皮切りに全国で図書館などを運営。一方で選書の内容が疑問視されるなど、物議も醸している。15年には、愛知県小牧市でCCCと図書館流通センター(TRC)の共同事業体を指定管理者候補としていた市立図書館の建設計画の賛否を問う住民投票が行われている。

地方百貨店、大量閉店時代の救世主は?

 小売業への進出も、近年のCCCの事業を象徴する。たとえば増田宗昭社長兼CEO(最高経営責任者)が「未来の百貨店」」と呼ぶ枚方T-SITE(大阪府枚方市)は、郊外ショッピングセンターとの競争激化に苦しむ百貨店業界に「新しい形」を提案するものだ。

小売業救う企画屋になる

 増田社長は、同社の事業として「企画会社としてのプラットフォームづくり」「Tカードを活用したデータベースマーケティング」「コンテンツによるライフスタイルの提案」の3つを挙げる。

Tポイント四面楚歌(そか)、ファミマが楽天・ドコモポイント導入

 19年4月、Tポイントの主要加盟店だったファミリーマートが、NTTドコモの「dポイント」と楽天グループの「楽天ポイント」の導入を発表した。10年以上にわたるパートナーだったファミリーマートの動きがTポイントの優位性にどのような影響を与えるか、注目されている。

ソフトバンク・ヤフー離脱の衝撃 Tポイントは生き残れるか

 Tポイントにとってさらなる衝撃となったのが、22年4月の「ヤフー(Zホールディングス)の離脱」だ。ヤフーの「PayPay」導入を受け、Tポイントは正念場を迎えつつある。Tポイント陣営からは離脱が後を絶たない。21年3月にはヤマト運輸が、21年10月にはコインパーキング大手の三井のリパークがポイント付与を終了した。そのきっかけになったと関係者が口をそろえるのが、19年11月にファミリーマートがTポイントに加えて楽天ポイントやdポイントも選んでためられる「マルチポイント化」に踏み切ったことだ。

最後に

 レンタル事業のTSUTAYA、ポイント事業のTポイント、そして蔦屋書店によるライフスタイルの提案や公共施設の運営など、さまざまな事業を手掛けるCCC。これらの事業はどれも大きな話題を集めてきたが、なかでもポイント事業をめぐる近年の動きは注目の的だ。同社の事業展開が今後どのように変化していくのか、引き続き見守っていきたい。

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