弁護士ポータルサイト「弁護士ドットコム」を運営する弁護士ドットコム。弁護士のインターネット広告解禁を機に急成長した同社だが、実はオンラインの契約サービス「クラウドサイン」でも注目を集めている。今回は同社をテーマとした過去記事を紹介していく。

無料法律相談からはんこレスまで手掛ける「弁護士ドットコム」

 弁護士ドットコムは、無料の法律相談や法律事務所の検索サービスを提供するポータルサイト、弁護士ドットコムの運営会社。2005年に設立された同社(当時はオーセンスグループ)は弁護士のインターネット広告解禁とともに売り上げを急速に伸ばし、14年には東京証券取引所マザース市場(現在はグロース市場)へ上場を果たした。

 弁護士ドットコムのサービスは法律ポータルサイトだけにとどまらない。06年にスタートした税理士相談ポータルサイト「税理士ドットコム」や、電子契約サービス「クラウドサイン」も同社の主要サービスのひとつだ。特にクラウドサインは印刷、押印、郵送なしで手軽にオンライン契約を結ぶことができるのが特徴。21年には東京都と共同で「はんこレス」の実現に向けた実証実験を開始したことでも話題を集めた。

 この記事では弁護士ドットコムの創業者、元榮太一郎氏のインタビュー記事やクラウドサインをめぐる過去記事を中心に、同社に関連したトピックを紹介していく。

弁護士の未来を問う男

 弁護士と起業家という2つの顔を持つ元榮太一郎氏。同氏が05年に創設したオーセンスグループ(13年に弁護士ドットコムへ社名変更)の「弁護士ドットコム」は、12年の時点で4800人を超える弁護士が登録して無料法律相談を行う弁護士ポータルサイトとして知られる。

 順調な成長を遂げてきたように見える弁護士ドットコムのサービスだが、実は創業当初、弁護士の優良紹介を禁止する「弁護士法72条の壁」や弁護士ドットコムを問題視する弁護士会の指摘に悩まされていたという。

文化保護か、効率化か はんこ大戦争の舞台裏

 弁護士ポータルサイトと並ぶ弁護士ドットコムの主力サービスが、はんこレスでオンライン契約ができる「クラウドサイン」。クラウドサインが行政から注目されるのは、法人登記時の印鑑届け出義務の廃止をめぐる国の動きによる。

 テクノロジーの進化とともに「印影による認証制度はセキュリティーの観点から限界にきている」とし、「はんこ」に変わる新たなシステムへの関心が高まっている。

冬でもTシャツの銀行員を生んだ三井住友FGの覚悟

 金融大手の三井住友フィナンシャルグループ(FG)も弁護士ドットコムのクラウドサインに注目する。同社は「SMBCグループとの共創」を念頭に置いたスタートアップ支援に力を入れており、その成果として弁護士ドットコムとSMBCクラウドサインを設立。脱はんこを追い風に順調に業績を伸ばしている。

加速する三井物産の印鑑レス、それでも残る「岩盤」

 三井住友FGが電子契約サービスの普及に力を入れる背景にあるのは「銀行こそが印鑑に縛られている業種だから」という。同社は「はんこレス」の推進について、「『レガシー企業』の代表格である銀行が取り組むことに意義がある」としている。

 新型コロナウイルスの感染拡大による非常事態宣言を受けて大手企業でも電子契約の利用を進めており、クラウドサインのサービスの重要度は増している。

広がる「身の丈DX」、ノーコードで現場が動く

 弁護士ドットコムのクラウドサインの導入は手軽にできるが、導入した企業から、「以前は契約締結に2週間ほど要していたが、早ければ当日のうちに完了するようになった」という声が寄せられているという。

どうなる? はんこ、ファクス、電話 ビジネス「三種の神器」の未来

 一方「電子契約サービス」を提供する企業も登場している。クラウドサインの他にも米国のドキュサイン、さらにアドビも参入。21年時点で30近いサービスが乱立しており、利用者の利便性の観点からも課題となっている。

最後に

 無料法律相談や法律事務所検索を柱とする弁護士ポータルサイトで急成長を遂げた弁護士ドットコムだが、現在は脱はんこをめぐる社会のニーズを追い風に、電子契約サービスを伸ばしている。政府や自治体も力を入れる「電子化」を今後どのように支えていくのか、注目が集まる。

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