世界第2位の経済規模を誇る中国。今回は中国経済のこれまでの歩みに加え、新型コロナウイルス感染拡大以降の動きについて、過去記事から紹介していく。

急速な発展を続ける「中国経済」

 かつては発展途上国として先進国に大きく後れをとっていた中国だが、2000年代には欧州諸国、2010年には日本を抜き、経済大国へと成長した。専門家の中には2040年までに米国を抜き、世界第1位になると予想する人もいる。

 中国経済が今日のように発展したきっかけは、鄧小平氏が主導した改革開放路線の採用だ。計画経済から改革を進め、中国の貧困率は3.3%にまで低下した(2016年)。

 だが急速な経済発展は、中国の国内外にさまざまなひずみを生み出している。都市と農村との経済格差が広がった結果、都市で出稼ぎする労働者が増えて農村の労働力確保が難しくなった。急激な生産能力の拡大による輸出増加は、米国をはじめとする他国との貿易摩擦を生み、市場価格をかく乱する原因となっている。

日経ビジネスが見た50年、世界経済の主役に

 中国経済の変化は、1978年に鄧小平氏が主導した「改革・開放」路線がきっかけだ。段階的に計画経済から市場経済へと変化する中国は、中国企業の成長にも大きな影響を与えた。それまで「世界の工場」として外資系企業に労働力を提供していた中国国内から、レノボやファーウェイ、アリババ集団などの企業が誕生し、世界のトップ企業と肩を並べているのだ。

1~3月GDP6.8%減が示す「コロナ後」の世界経済

 長年にわたり成長を続けてきた中国経済に、新型コロナが影を落としている。2020年1~3月のGDPが「前年同期比6.8%減」となったのだ。これは記録がある1992年以降初のマイナスで、この状態が続けば「文化大革命の混乱期以来となる通年でのマイナス成長」も視野に入るという。

「内需」拡大に転換、主役は「地方」

 2020年5月に開催された全国人民代表大会(全人代)。例年であれば初日に実質経済成長率の目標値が発表されるが、「1988年以降で初めて」目標設定が見送られた。新型コロナの影響を受け、経済の先行きが見通せないためだ。

 一方、李克強首相は政府活動報告の中で「内需拡大戦略」を強調。新型コロナの世界的な流行で外需が冷え込む中、内需を拡大させ、経済成長につなげたい考えだ。

経済V字回復、背景に新型コロナ対策

 徹底した感染対策により、中国経済は回復傾向にある。中国国家統計局が発表した第3四半期まで(1~9月)の実質GDPは、前年同期比0.7%増。四半期ベースでは第1四半期が6.8%減だが、第2四半期は3.2%増、第3四半期が4.9%増となった。

 回復の原動力となったのは、パソコンやマスクなど外需の高まりを背景とした輸出の増加とインフラ投資だ。その背景には、全国規模で徹底してきた新型コロナ対策の成功がある。

中国人民元高のジレンマ

 新型コロナによる景気低迷からいち早く抜け出した中国だが、「人民元高」に苦慮している。2020年6月に1ドル=7.0元台だったが、わずか1年で1ドル=6.4元前後まで上昇。これは2018年以来の高値圏という。

 人民元高は輸出産業の国際競争力をそぐ。この状態が続けば中国経済に深刻な影響を及ぼしかねない。実際、2021年5月の輸出の伸びは前年同月比27.9%増で、4月の同32.3%を下回っている。とはいえ銅や鉄鉱石といった輸入資源価格の高騰を抑えるには、安易な元高修正に動くこともできない。

 コロナ後の成長を見据え、中国政府には「高過ぎず、安過ぎず」の人民元相場を維持する難しいかじ取りが求められている。

巡航速度に戻った中国経済、2021年通期は8.0~8.5%成長

 中国国家統計局の発表によると、2021年4~6月期のGDPは前年同期比7.9%の増加となった。専門家は「中国経済はほぼ巡航速度を取り戻した」と評価する。

 回復の原動力は、予測を上回る輸出の拡大だ。新型コロナで他国の生産能力が回復しない中、中国企業が「代替生産」をしていることが大きな要因という。欧米でワクチン接種が進み、需要が回復したことで欧米向けの輸出も堅調に推移している。

 こうした状況を踏まえ、中国のエコノミストは2021年通期の成長を「前年比8.0~8.5%増」と予想している。日本を含む海外企業から寄せられる期待も大きい。

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