“出遅れ”ドコモ、逆襲の皮算用

 NTTドコモはスマホを使う決済サービス「d払い」を18年4月より開始した。もともとFeliCaを使った「おサイフケータイ」のパイオニアだった同社だが、QRコードの分野ではアリババや楽天グループ、LINEなどの国内外のIT企業に先行された。

 NTTドコモが頼みにするのが、携帯料金と合算して支払える利用者だ。今後「ドコモ回線の契約者」という財産をどのように生かしていくかに、注目が集まっている。

ペイペイが「100億円ばらまき」でシェア拡大

 ヤフーとソフトバンクが共同出資するペイペイは、相次ぐ「100億円キャンペーン」によってライバルとの差別化とユーザー拡大を図ってきた。18年12月初旬からの「100億円あげちゃうキャンペーン」は注目されたが、計4回のシステム障害が起き、その後も第三者による不正使用などトラブルも続いた。

 ただ、18年10月のサービス開始から4カ月で、利用登録数が累計400万人を突破したのも事実。ペイペイはシェアを拡大し、トップを走っているが、21年10月から中小加盟店に対する決済手数料を有料化した。加盟店がどのような動きをするのか、今後の行方が注目だ。

1日で88億円を消化、300億円キャンペーンに込めるLINE Payの深謀

 19年5月に総額300億円のキャンペーンを打ち出したLINE Pay。ライバルたちのキャンペーンがポイント還元型だったのに対し、同サービスのキャンペーンは「友人や知人に1000円分の『LINE Payボーナス』を送る」というものだ。

 ただしLINE Payボーナスの受け取りには「本人確認」が必要となる。LINE Payには2種類のアカウントがある。本人確認前のアカウント「LINE Cash」、本人確認完了後のアカウント「LINE Money」だ。このキャンペーンを通して、LINEは資金移動口座として使えるLINE Moneyユーザーを増やすのが狙いだ。

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