1週間に3日の休日を設定する「週休3日制」。子育てや介護との両立や企業のイメージアップに役立つ制度として、政府や大企業からも注目されている。この記事では週休3日制をテーマにした過去記事から、メリット・デメリットや実際の導入事例などについて振り返る。

「週休3日制」のメリット・デメリット

 週休3日制とは、多くの企業などが採用している週休2日に加え、週内の休日をさらに1日追加する制度だ。日本でも大企業を中心に導入されるケースが見られるほか、与党・自民党や政府からも「選択的週休3日制」の普及に取り組む発言が出るなど話題を集めている。

 自民党の提言書によれば、週休3日制のメリットは「子育てや介護と仕事の両立に加え、大学院への進学など学び直しの機会の創出につながる」ことだ。すでに週休3日制を導入している企業を積極的に周知すべきだとの提言もあり、企業にとってもイメージの向上につながる。

 一方で、休日を増やすことは業務の停滞やビジネス機会の損失につながるとの指摘もある。1日当たりの労働時間が増加しかねないことも懸念材料だ。しかしこれに対しては「フレックスタイムを利用するなどして所定の労働時間に変更がないよう工夫している企業もある」との反論があり、今後も週休3日制の実現に向けた動きは続くとみられている。

 この記事では週休3日制のポイントや、実際に導入している企業の事例について過去記事から紹介していく。

週休3日制、知っておきたい10のこと

 2021年4月5日、加藤勝信官房長官が記者会見で「選択的週休3日制」の導入について言及した。今後の「骨太の方針」にも反映するとのことで、注目を集めている。

 週休3日制のメリットとしては「子育てや介護などとの両立」が大きいが、休日を増やすことは、コロナ禍での業績悪化やクラスター防止などの目的で「従業員の労働時間や出社日数を減らしたい会社の意向」とも合致する。また「多様な人材を企業間がシェアしてビジネス力の低下を防ぐ」ことで、少子高齢化による労働力不足を補う狙いもあるという。

 とはいえ「拘束時間ベースで賃金や人事評価が決まる」ような職場では、休日の増加は賃金の低下を招いてしまう。結果として会社へのエンゲージメントが低下し、生産性の低下や離職につながるとの指摘もある。年金や健康保険、介護保険、出産手当金といった社会保険の給付に与える影響に加え、導入に伴う企業側の負担も懸念材料だ。

週休3日、テレワーク…企業が働き方改革を加速

 それでも大企業を中心に、週休3日制を取り入れる企業は増えつつある。

 たとえば大手食品メーカーのカルビーの場合、既に2017年からテレワークの上限日数を撤廃しており、実質的な週休3日が可能だ。ヤフーも同じ年に、希望者向けの週休3日制を導入している。

 欧州では、週に4日働く(週休3日)「80%」、2日働く「40%」という働き方があるという。日本でも同様の働き方に関心が集まっている。

何でも自分でやってこそ

 1980年代の終わりから週休3日制を導入しているのは、スポーツ用品チェーンを展開するアルペンだ。社長の水野泰三氏(2013年当時)は、「週休3日のうち1日をスポーツに充てることで、専門的な接客ができるようになる」と語る。

ユニクロ、週休3日制に透ける苦境

 2015年から週休3日制(週4日勤務の正社員制度)を導入しているユニクロ。ただし小売店が中心の同社では、休日の対象となるのは平日だ。逆に土日は出勤日とし、1日当たりの労働時間を8時間から10時間に延ばすことで労働時間を確保する。

 当面の対象となるのは約1万人の地域正社員で、その中から希望者を募るという。業界全体で人手不足が深刻化する中、柔軟な勤務条件を提示することで優秀な人材を確保する狙いだ。

自動車の巨星墜つ、ピエヒ元VW社長「2つの顔」の功績

 海外の大手企業も週休3日制を採用している。独フォルクスワーゲンでは、社長や監査役会会長を歴任したフェルディナント・ピエヒ氏の下で週休3日制のワークシェアリングを導入。同氏の経営手法には「独裁的」との批判もあるが、「従業員を簡単にリストラしない新しい経営手法を自動車産業に持ち込んだ」と評価する声も高い。

最後に

 働き方改革の一環として、政府も注目する週休3日制。欧州ではポピュラーな制度だが、日本の大企業にも、積極的に制度を導入するケースが見られる。 新型コロナの影響もあり、週休3日制を希望する声は大きい。ビジネス機会の損失や収入の減少といったデメリットも指摘されるものの、今後の動きに注目が集まっている。

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