会社には所属せず、仕事を受注契約するフリーランス。自身のスキルを生かし、時間や場所にとらわれず自由に働く姿に憧れを持つ人もいるかもしれない。現在、ITの普及でフリーランスが増加しているといわれているが、その現実はどのようなものだろうか。フリーランスに関連するニュースをまとめた。

フリーランスの今

 特定の企業や組織に所属せず、仕事の案件ごとに会社と直接契約する働き方をフリーランスという。似た言葉に「個人事業主」があるが、個人事業主になるためには開業届を申請する必要がある。現在、ITの普及からテレワークやクラウドソーシングが進み、フリーランスが増加傾向にある。しかし、新型コロナの影響下で、フリーランスの仕事が減少していることや彼らへの支援の薄さに注目が集まっている。今後はどのようになっていくのだろうか。これまでのニュースを見ていこう。

「生かすも殺すも俺次第」フリーランス礼賛社会の光と陰

 フリーランスには自由に働けるイメージがあるが、現実の労働環境は厳しいようだ。そもそもフリーランスは、発注先と直接契約を結ぶため、労働基準法の適用外であり労働条件についてのサポートが薄い。また、発注先とフリーランスの間には上下関係ができやすく、フリーランスで働く人の6割がパワハラを経験したことがあるという調査結果もある。

 フリーランスで仕事を獲得し続けられる人はごく一部だ。多くの人は次の仕事があるだろうかという不安から、パワハラや過剰な要求にも目をつぶってしまうようだ。企業とフリーランスの関係が、上下関係ではなく、同志として構築できることが理想的だ。

社員が個人事業主に、タニタは変わるか

 タニタは社員を個人事業主として独立させ、業務委託契約を結ぶ新制度を始めた。その背景には、「優秀な人材に自由な労働時間や環境を与えることで会社に引き留めたい」という谷田千里社長の考えがある。新制度では、基本業務と新たに発生する追加業務を分け、追加業務は本人と交渉して報酬を決める。社員は様々な事情を抱えているが、個人事業主化はこうした課題をクリアしつつ、実務能力や会社の習慣を知る人材を確保できる仕組みと言える。

高スキル女性を再び企業へ 無理なく働く選択肢を提供

 人材サービスを手掛けるWaris(ワリス)。同社は、出産や育児を機に退職した後、社会復帰が難しいと感じている女性に対してフリーランスとして働くための支援をしている。ビジネス系の専門的なスキルを持つ女性が対象になる。ワリスの経営は独特で、年齢や前職の職種も異なる女性3人の共同代表による合議制をとっている。起業の背景には、3人のそれぞれの経験から、女性のキャリア支援をしたいという同じ思いがあったという。競合の参入もあるが、働く女性の悩みに丁寧に対応するカウンセリング力や企業へのコンサルティング力で差異化を図る。

実は存在する日本の企業内格差、そこで楽しく生きる方法

 日本の企業内格差が広がりつつある。50歳手前になると、その格差が目に見える形で突きつけられるようだ。定年を超えても仕事の依頼が来る人と、年金暮らしになる人では収入にも大きな差が出てくる。では今からどうすべきか。まず全力で仕事に尽くし続けることである。そして、もう1つは複線志向だ。働き方改革で拘束時間が短くなり、副業解禁の潮流がある中、自分のやりたかったことに取り組んでいくことが人生の充実感や仕事の依頼にもつながっていくだろう。

ピント外れ支援策の根底に「昭和の遺物」的思考

 新型コロナの影響で、倒産した会社や解雇になった人が急増している。特に、非正規社員やフリーランスはますます窮地に追いやられている。一方で、政府の支援策は、その実効性に疑問が残る。その原因として、支援策の根底にある「昭和の遺物」的思考が挙げられる。長期雇用制度や、妻の収入がゼロまたは家計の補助程度だった頃を前提とした施策のために、経済的弱者への影響が一段と大きくなる結果になってしまっている。

「解雇されても文句言えない」謙虚すぎる弱者たちの悲鳴

 新型コロナの影響で雇い止めに遭った短期雇用社員や、フリーランスで収入が激減した人は生活が困窮している。彼らはお金、健康、学歴、サポートネットワークなどのリソースがない状態だ。ドイツでは、フリーランスが申請後すぐ5000ユーロが銀行口座に振り込まれるというスピード感のある支援がある。日本政府には、より生身の個人に向き合った政策が求められている。

労働政策研究所長「コロナ禍、雇われない働き方の議論を始めよう」

 コロナ禍で、フリーランスなど雇用されていない人への保障が問題になっている。労働政策研究所長の濱口桂一郎氏は、終身雇用が保障された働き方「メンバーシップ型」と、職務や勤務地が限定される「ジョブ型」という概念を提唱する。ジョブがある限り生きていけるので、欧米ではジョブ型は安定の象徴である。日本も今後はテレワークの浸透や個人の職務意識を強めていくという意味で、ジョブ型など新しい働き方が増えそうだ。

コロナ禍、副業の実態は? 希望者倍増、競争は激化

 新型コロナの感染拡大下、在宅勤務で時間に余裕ができる一方、減少した所得を補う手段として副業を探す人が増えている。複業マッチングプラットフォームを運営するAnother worksによると、特に募集・応募ともに活況を迎えているのが営業職だ。新規アポイントが取りにくい状況で、人脈を生かした営業ができる人材への期待が高まっている。また、求人の変化としては、メーカーからの問い合わせが増加した。店舗での売り上げに代えて、ウェブによる直販を強化するための人材が求められているためだ。新型コロナを機にデジタル化は進んでいくだろう。IT人材の副業の需要が今後も高まっていきそうだ。

新賃金制度、副業挑戦…「令和の所得増加作戦」の今

 新賃金制度や副業挑戦など、多くの企業や個人、国が模索してきた「令和の所得増加作戦」の多くが、コロナ・ショックで幻と化してもおかしくない。現在の状況は給与所得増加計画が頓挫しただけではなく、今後の給与削減の始まりにすぎないかもしれない。専門家の「GDP25%減」「40兆円分の市場が消滅」といった予測が実現すれば、多くの日本人に「年収2割減時代」が訪れても不思議ではない。

最後に

 新型コロナ感染状況下で、フリーランスへの支援策の必要性が浮き彫りとなっている。また、フリーランスではない、会社に所属する働き方についても、今後は柔軟な働き方を形作っていく必要性がありそうだ。

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