デジタルデバイド(情報格差)とは、インターネットなどデジタル技術の利用をめぐる格差のこと。デジタルデバイドは経済的な理由や技術的な理由、あるいは教育や立地条件によって発生し、個人や企業に深刻な影響を与える。今回はデジタルデバイドをテーマにした過去記事から注目のトピックを紹介していく。

経済、教育、地域などの格差によって生まれる「デジタルデバイド」

 デジタルデバイドとは、インターネットなどデジタル技術の活用をめぐる格差のこと。たとえばインターネットに接続する機器を入手できるかどうかという経済的な格差、それらの機器を扱えるかどうかという技術的、教育的な格差、そもそもインターネットに接続できる回線や基地局が設置されているかどうかという地域的な格差などがデジタルデバイドに含まれる。

 インターネットを含むIT技術が進歩するにつれ、デジタルデバイドは深刻な問題となりつつある。IT機器やインターネットを利用できる人とできない人との間で情報格差が広がり、それが所得格差につながるためだ。またデジタルデバイドは企業間にも存在し、各社のDX(デジタルトランスフォーメイション)やセキュリティーリスクへの対応に影響を与えている。

 国や企業もデジタルデバイドのリスクを認識し、ITスキルの教育やIT人材の確保といった対策に取り組んでいる。この記事ではデジタルデバイドをめぐるトラブルやデジタルデバイド解消に向けた取り組みについて、過去記事から紹介する。

文化保護か、効率化か…はんこ大戦争の舞台裏

 行政手続きの電子化をめぐる「脱はんこ」の動きに関連して、NECが「印章そのものをデジタル認証する」サービスを展開している。はんこの製造過程で発生する微細な紋様を指紋のように照合・認証する仕組みだ。

 スマートフォンのカメラさえあれば利用できる同サービスについて、NECの小松正人デジタル・ガバメント推進本部長は「デジタルデバイドへの対策としても有効」と語る。

日本を60万人×200カ所のスマートシティーに再編する?

 デジタル庁を設置するなど、デジタル技術の活用を積極的に推進する菅政権(当時)。こうした動きについて、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの南雲岳彦専務執行役員は「市民向けのデジタルサービスは公共財的な性質のものが多いので、まずは国が音頭をとって、民間や大学が参加する形がよい」と語る。民間だけがデジタル化を進めると対価を払えない人が利用を制限され、デジタルデバイドの発生原因となるためだ。

「DX祭り」に取り残された人々に商機を見いだす

 米国フロリダ州マイアミで、高齢者向けの生活支援を提供する「Papa(パパ)」。同社のサービスは対面が基本だったため、新型コロナウイルスによる行動制限で大きな影響をうけることになった。

 そこでPapaが取り組んだのが、通話によりケアを行う「Virtual Companionship(バーチャルコンパニオンシップ)」などの新サービス。これがデジタルデバイドによって取り残された人々に支持され、2020年度の売り上げは前年比で6倍へと急伸したという。

日本が乗り越えるべき壁とは?「デジタルの日」に改めて考える

 デジタルデバイドの問題について「誰もがデジタルの恩恵にあずかれるような社会を目指さなければならない」と語るのは、Zホールディングス社長の川邊健太郎氏。YahooやLINEなどのITサービスを提供する同社だが、利用者の格差解消に向けて「啓発活動に力を入れていく」という。

「『超賢い』ロボットで日本は勝負しよう」ソフトバンク宮川社長

 「高齢者はいずれ世代交代する。デジタルを使える人たちの時代が来るまで待っていたらいい」という意見に対し、「まったくの見当違い」と語るのはソフトバンクの宮川潤一社長。遅れている日本が今後デジタル化を進めていくためには、高齢者がデジタル技術を使いやすくすることが必要だという。

自治体の“使えるデジタル”、鍵は高齢者 DX普及へ官民総力

 高齢者向けのDX普及に乗り出したのが、鳥取県江府町だ。同町はソフトバンクと連携する協定を結び、「町が端末代と2年間分の通信費を補助」する形で65歳以上の高齢世帯にスマホを普及させる取り組みを進めている。しかも単に端末を配るだけでなく、高齢者にも扱いやすいインターフェースをソフトバンクと共同で開発するという徹底ぶりだ。

最後に

 IT技術が進歩すればするほど、深刻さが際立つデジタルデバイド。政府はデジタル庁を設置するなど行政手続きの電子化を急いでいるが、同時に高齢者などデジタル技術になじみがなく、すぐには使えない人への対策も急務となっている。企業や自治体による取り組みも一部で始まっているが、社会全体でデジタルデバイドを解消するためにはさらなる努力が必要だ。

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