日本で最も古いカメラメーカーと、2番目に古いカメラメーカーを前身とするコニカミノルタ。現在は複合機や医療機器などを中心に、国内外で産業用電気機の販売・サービスを手がけている。今回は同社の現在の取り組みについて、近年の記事からピックアップする。

伝統あるカメラメーカーを前身に持つ「コニカミノルタ」

 コニカミノルタはオフィス向けや産業向けの情報機器などを取り扱う、日本を代表する電機メーカーだ。日本で最も古い歴史を持つ光学機器メーカーのコニカと、同分野で2番目に古いミノルタの経営統合によって2003年に誕生したが、カメラ事業は06年にソニーグループに事業譲渡している。

 コニカミノルタの中核事業は、複合機などのオフィス向け情報機器、医療機器、そして産業用計測機器などの販売・サービスだ。現在、これらの事業は国内のグループ会社(22年5月時点で17社)や欧米、アジア、中東などに広がる海外のグループ会社を通して提供されている。

 この記事ではコニカミノルタの取り組みや新型コロナウイルスによって受けた影響などを中心に、これまでに掲載した記事から振り返ってみる。

コニカミノルタ社長、画像解析で潜在課題を解決

 国内企業としていち早くデジタル改革に乗り出したコニカミノルタ。改革を主導した山名昌衛代表執行役社長兼CEO(現・執行役会長)によると、デジタル技術がもたらす価値はデータをつないで新しい価値を生み出す「コネクティビティー」、顧客ごとに最適化したサービス提供する「個のマーケティング」、そして人間がより創造力を発揮できるよう支援する「AI(人工知能)」の3つだ。

 「画像や動画のような非構造化データを取り込み、デジタル化できる」というコニカミノルタの強みを生かし、「お客様中心」と「社会的な課題の解決」の両立を目指すのが同社の取り組みだと、山名氏は語る。

コニカミノルタ「薬の作り方を根本的に変える」

 17年夏以降、医療関連企業の買収に力を入れるコニカミノルタ。遺伝子診断のアンブリー・ジェネティクスと創薬支援ベンチャーのインヴィクロの2社を1000億円で傘下に収めるなど、ヘルスケア分野を強化している。

 事務機器メーカーであるコニカミノルタが医療分野に乗り出す背景には、同社が持つ「HSTT」という、たんぱく質の解析技術があるという。

コニカミノルタがファミコンで技術者教育をする理由

 デジタル化を進めるコニカミノルタは、IoT人材の育成でも独自の取り組みを行っている。その一つが任天堂のゲーム機、ファミリーコンピュータ(ファミコン)を使った技術者研修だ。

 発売から30年以上もたつ家庭用ゲーム機を研修素材に使う理由は「シンプルであるが故にしっかりとプログラムを組まないとゲームとして成立しない」ことがIoTの組み込みソフトに共通するためだという。

米中摩擦に動じないコニカミノルタ「渡り鳥にならない」

 国内の製造業各社がアジアの製造拠点を転々とする中、コニカミノルタは1970年代(前身のミノルタ時代)よりマレーシア・マラッカの生産拠点を維持している。「コストを工場移転にかけるのではなく、マレーシア生産の効率化に集中的に振り向けることができれば、人にも場所にも依存しないものづくりができるのではないか」というのがその理由だ。

コニカミノルタ、上から指示しない「ステークホルダー第一主義」

 新型コロナウイルス感染症が一気に拡大した中国・武漢。同地でいち早く支援活動に乗り出したのがコニカミノルタだ。武漢が都市閉鎖されたのは2020年1月23日だが、その約2週間後には同社の超音波診断装置の無償提供を決め、8台の製品を6カ所の病院に設置した。

 日本国内でも中小企業のテレワークを支援するITサービスを無償提供するなど、コロナ対策への支援に力を入れるコニカミノルタ。その原動力はトップダウンの指示ではなく、「何か我々にできることはないだろうか」という現場の声だ。

「損して得取れ」コニカミノルタがオゾン発生装置に参入する理由

 コニカミノルタが「医療用のオゾン発生装置」の生産を開始する。同社にとってはまったく畑違いの機器だが、米国企業からの部品の納入遅れなどにより同装置の供給が追いつかない現状に「最終的には自社の利益につながる」との思いで参入を決めたという。

コニカミノルタがESGを重視するワケ

 コニカミノルタの経営方針において、特に意識されている要素の一つがESG(環境・社会・ガバナンス)投資だ。松﨑正年取締役会議長によると、その背景には同社の持続的な成長に向け、「中長期で評価する投資家を大事にしたい」という思いがあるという。

最後に

 伝統あるカメラメーカー2社を前身に持ちながら、現在はオフィス向け・産業向け機器の製造・販売やヘルスケア分野に特化しているコニカミノルタ。時代のニーズと自社の強みを最大限に生かし、思い切った取り組みや改革を進めていく同社の姿勢には見習うべき点が数多くある。コロナ禍で製造業界が大きな影響を受ける中、同社の今後の取り組みにも注目していきたい。

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