日本を代表するモノ作り企業、ソニー。ウォークマンなど、画期的な商品を世に送り出してきたソニーは、今後どこに向かうのか。本稿では、過去のニュースを振り返りながら、その要点を紹介していく。

ソニーの沿革

 ソニーは、日本、東京都港区に本社を置く企業であり、ソニーグループを統括する事業持ち株会社だ。1946年の操業以来、ウォークマンなど、高いモノ作りの技術で、国内外でイノベーションを起こしてきた。しかし、つい最近まで最高益が頭打ちの状態が続いていた同社。グローバル化やデジタル化の波に乗れないでいた。しかし、2018年3月期、20年ぶりに最高益を更新し、19年3月期もさらに営業利益を積み増した。また直近では、アクセラレーション事業や、モバイルの次に起こる大きなメガトレンドである、モビリティー事業も展開すると発表している。

ソニーに残る製造魂

 「もう復旧は無理かもしれない……」。2016年4月中旬、ソニーの半導体製造子会社、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの鈴木裕巳執行役員は、絶望感に打ちひしがれていた。2018年4月14日と16日の2度にわたって最大震度7を2回記録した熊本地震により、同社熊本工場(同県菊陽町)は建屋が崩壊。製造ラインの中に入れずにいた。しかし幸いなことに、製造装置の転倒など危機的な被害は避けられた。その後、現場の努力が実を結び、当初よりも1カ月早い16年7月末に全装置が復旧。むしろ生産性の効率アップにつながったという。

ソニー復活・平井会長が語る#00/改革を支えた価値観とビジョン

 日経ビジネスの雑誌連載「経営教室『反骨のリーダー』」との連動企画。逆境に挑み、新たな時代を作り上げるリーダーたちが、独自の経営哲学を自ら語る。今回は、デジタル化の波にもまれ苦境に陥っていたソニーを復活させた平井一夫会長。改革の背景にある経営哲学・そして手法はどのようなものだったのか。平井氏が直接、次世代を担うビジネスパーソンに経営哲学を、動画で熱く語りかける。

妥協しないモノ作りを取り戻す/ソニー平井会長#07

 ソニー平井会長のオンラインゼミナール、7本目。シリーズの中でももっとも注目すべきが、ソニーの強みであるモノづくりについてだ。今回は、同氏のソニーとの出合いから振り返る。同氏はソニーの製品を通じ、一体何を表現しようとしてきたのか。気になる方は本稿の動画を参照されたい。

ソニーがアップルになれなかった理由/MIT教授に聞く#04

 そんな、モノづくりに定評があるソニーは、なぜアップルになれなかったのか。米マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院教授、マイケル・クスマノ氏のオンラインセミナーから学ぶことができる。同氏はソニーを、「素晴らしく『悪い』日本の事例が、ソニーです。ソニーは20~30年間、米アップルをしのぐ技術力がありました」と評している。気になる方は本稿の動画を参照されたい。

減益見通しのソニー、頼るべきはやっぱりゲーム

 同社は4月26日、2020年3月期の連結営業利益(米国会計基準)が前期比9%減の8100億円になる見通しだと発表。19年3月期まで2期連続の最高益を更新してきた勢いにいったんブレーキがかかる格好だ。PS4後継機の投入は20年とされている。米グーグルや米アップルもゲーム事業に参入する方針を示しており、後継機はこうした巨大プラットフォーマーとの競争にもさらされる。9000万人以上のPS4ユーザーをつなぎとめながら、後継機でどれだけ利益を伸ばせるかは、ソニーが1兆円以上の営業利益を目指す上で重要な要素だ。

ソニーとMS、ゲームで共闘 「本気」のグーグル迎撃

 米マイクロソフトとソニーが、2019年5月16日(現地時間)、エンターテインメントやAI分野などで、戦略的提携に向けた意向確認書を締結したことを明らかにした。両社がタッグを組んだ背景には、クラウド型のゲームの台頭、そして同分野に満を持して乗り出してくる米グーグルの存在がある。グーグルは2019年3月、クラウドゲームの配信基盤「Stadia(スタディア)」を投入すると発表。年内に米国とカナダ、英国、欧州でサービスを始める。

「aibo」復活は正解だった、生みの親ソニー川西氏が語る

 ソニーはゲームの他にも世の中にモノ作りで様々なイノベーションを起こしている。そのひとつがイヌ型ロボットのAibo(アイボ)だ。19年3月には、新たに見守りサービスを始め、幅広い世代への普及に向けて動き始めた。ソニー執行役員の川西泉氏は、台数としては18年7月時点で2万台に到達しており、その後も順調だと語る。また、エンターテインメント向けのロボットとして、ある程度の認知度を得ているのかなと感じているという。ロボットは一時的に話題になっても販売が続かないことが多いが、aiboは過去の経緯もあり、受け入れられたのではないかと、好調さの要因を分析した。

ソニー、新規事業創出に確かな手ごたえ、その術とは

 2019年7月3日、東京・品川にあるソニー本社にて、新規事業の創出を目指すスタートアップなどを対象にしたイベント「Sony Open Innovation Day 2019」が開催された。壇上にはソニーの担当者が上がり、同社が手掛けるスタートアップ創出支援プログラム「ソニー・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム(SSAP)」を説明。SSAPは、新規事業を生み出すソニーのノウハウを外部に提供するサービス。アイデア創りから事業計画の立案、マーケティング調査、商品の量産、事業運営、資金調達、販売までを一気通貫で支援するという。外部への本格開放から9カ月。SSAPから新事業は生まれつつあるという。

決算に見えたソニーの決意、派手さなくともしっかり稼ぐ

 ソニーが2019年7月30日に発表した、同年4~6月期の連結業績は本業のもうけを示す営業利益が2309億円と前年同期比で18%増えた。好業績のけん引役は主力の半導体事業だ。イメージセンサーがスマホの中高級機種向けに好調だったほか、スマホ1台に搭載されるカメラの数が増えたことなどが寄与した。「自社工場はフル稼働の状況だ」と話すが「無理して拡販はせず、確実に収益を上げていく」と語る。かつてのような派手さはないが、リスクを最小限に抑えてしっかり稼ぐ。そんなソニーの決意が見て取れた。

「技術のSONY」を取り戻す、業績回復で打つ次の一手

 2018年3月期に20年ぶりに最高益を更新し、19年3月期もさらに営業利益を積み増したソニー。R&D担当の勝本徹専務は、ソニーは「テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンターテインメントカンパニー」を目指していると意気込む。これはまさに今進めている技術開発の方向性そのものだという。「新体制が発足してからの1年半で、世界一テクノロジーをリアルタイムに使う集団になってきたと考えています」。ソニーがテクノロジーを活用して、再び世界の前線に躍り出る日も近いかもしれない。

最後に

 日本を代表するソニーの現状を、過去のニュースを振り返りながら紹介してきた。同社は高いポテンシャルを秘めつつも、アップルのような巨大企業になれていないのが現状だ。そこで現在同社はアクセラレーションやロボティクスなど、様々な新しい取り組みを開始している。ソニーの今後にこれからも目が離せない。

 さらに詳しい記事や、会員限定のコンテンツがすべて読める有料会員のお申し込みはこちら

この記事はシリーズ「テーマ別まとめ記事」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。