高齢者や障害者などが自立した生活を送れるようにするため、さまざまな「障害(バリア)」を「除去(フリー)」することを意味するバリアフリー。国はもちろん民間企業の間でも、バリアフリーの実現に向けた取り組みを熱心に進めるところが少なくない。バリアフリーの事例を取り上げた過去記事のいくつかをピックアップして紹介する。

高齢者や障害者の自立をサポートする「バリアフリー」

 バリアフリーとは、身体機能に何らかの障害がある人が不自由なく生活できるよう、「障壁(=バリア)」となるものを「除去(=フリー)」することをいう。もともとは物理的な障壁を念頭に建築業界で使われていた言葉だが、現在は社会や制度に存在する障壁、心理的な障壁、情報面の障壁など、幅広い意味の障壁に対して使われている。

 バリアフリーの目的は単なる障害の除去ではなく、身体機能にハンディがある人たちが「自立した日常生活、社会生活を営むことができる社会」の実現だ。そのためにユニバーサルデザインの導入や、支援対象の当事者(高齢者や障害者)へのヒアリング、一般国民や市民の理解・協力を求めることが必要となる。

 この記事ではバリアフリーに向けた国や企業の取り組みについて、過去記事から振り返っていく。

「耳で聴く本」の文化育てる

 「目の不自由な人が楽しめるコンテンツを」というコンセプトのオーディオブック「audiobook.jp(旧FeBe)」。オトバンク社が2007年に提供を開始したが、17年の時点で会員数は22万人、書籍コンテンツ数は2万を超えるサービスに成長している。

 だがaudiobook.jpは入り口にすぎない。同社の最終的な目標は、音のインフラづくりを通して「目の不自由な人にとっての究極のバリアフリーを達成する」ことだ。

東京五輪で進むバリアフリー、新市場創出へ

 20年の東京オリンピック開催を前に、企業が「新たな市場」として注目するのがバリアフリー関連のニーズだ。東京都が17年に大会の整備指針「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」を公開したのをきっかけに、都内の大会関係施設を中心にバリアフリー改修工事や新たな設計に基づく建築工事が進められている。

 政府も同年に「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を発表し、高水準のユニバーサルデザインを全国各地で推進していく考えだ。

2階建てバスに復活の兆し

 見晴らしが良く、座席数も確保できることから観光バスや夜行バスとして利用される「2階建てバス」。国内メーカーが生産中止したことなどから台数が減りつつあったが、ここ数年、再び導入を進める動きが増えているという。

 理由のひとつとして挙げられるのが、「大量輸送」と「バリアフリー化」の両立に向いているとされる2階建てバスの特性だ。

潮目を迎えた? 東京銭湯 再成長はあるか

 後継者不足などの課題を抱え、毎年数十軒が廃業している東京の公衆浴場。しかし近年ではジェットバスや炭酸風呂、シルク風呂といった新型の人気設備や、デザイン性の高さ、バリアフリー対応などを売りにする浴場が増え、「銭湯の姿が変わり始めている」という。

西武鉄道がサイクルトレイン運行「地方の知恵」が乗客減を救うか

 乗客数の減少傾向が続く鉄道業界。大都市圏ではコロナ禍の影響もあり、鉄道各社の収益力は特に低下している。そんな苦しい業界の中で注目を集めているのが西武鉄道の取り組みだ。

 同社が行ったのは、日中時間帯の列車内に自転車をそのまま持ち込むことができる「サイクルトレイン」。大都市ではほとんど行われてこなかった実験的な取り組みだが、エレベーターやスロープなどのバリアフリー設備は自転車の移動にも向いているという。

仏教界騒然 京都発「お寺とホテルのコラボ」はなぜ成功したのか

 20年秋に開業した「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」。約500年の歴史を持つ浄教寺と一体化したホテルは大きな話題を集めたが、宗務庁や檀家などの間には驚きや不安もあったという。

 元銀行員だった光山公毅住職は、バリアフリー改修など「檀家ファーストのコンセプト」を強調することで周囲を説得。少しずつ足場を固めることで開業にこぎ着けることができた。

最後に

 身体機能に障害がある人でも、不自由なく生活できるように支えるバリアフリー。最近では建築物だけでなく、音のバリアフリーやユニバーサルデザインなどの面からもバリアフリーの取り組みが増えている。あらゆる人が快適に暮らせる社会の実現に向けて、バリアフリーが一層広がっていく社会を期待したい。

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