暗号資産とは、インターネット上で流通する電子的な資産のことだ。仮想通貨やバーチャルマネーとも呼ばれ、ビットコインを筆頭にあらゆる電子取引の場で利用が拡大している。ここでは過去に掲載した暗号資産関連の記事から、注目すべきトピックをあらためて紹介する。

インターネット時代の通貨「暗号資産」

 「暗号資産」とはインターネット上で利用される電子データ資産のことで、「仮想通貨」や「バーチャルマネー」とも呼ばれている。暗号資産で特に知名度が高いのは「ビットコイン」だが、その他にも2000種類以上の暗号資産が存在しているという。

 暗号資産はドルや円といった法定通貨と違い、紙幣や貨幣などの実体を持たない。また国による保証や特定の管理人も存在しないが、代わりにブロックチェーン技術を用いて参加者同士が取引の信頼性を確かめ合う仕組みを構築しているのが特徴だ。

 こうした「安全性・安定性」から、一部の国では仮想通貨を法定通貨にする動きもある。一方で投機的な側面やマネーロンダリング(資金洗浄)の手段としての悪用、ハッキングによる消失も話題になっており、暗号資産の規制強化に乗り出す国も少なくない。

 今回は暗号資産の可能性と世界の動きについて、過去記事から振り返ってみる。

ピークの半値 ビットコインは世界通貨となり得るのか

 暗号資産の代表とされるのが、2008年に「ナカモト・サトシ」氏によって公表されたビットコインだ。当初は1ビットコイン当たり0.005米ドルにすぎなかったが、2011には1米ドルを超え、さらに10年後の2021年5月時点では3万5000米ドルを超えるなど絶大な人気を誇る。

 すでに米マイクロソフトや米エクスペディアなどでビットコインによる決済が可能となっており、暗号資産に「世界通貨」としての期待が寄せられている。

ビットコインを法定通貨に?エルサルバドルの「奇策」

 2021年6月、南米のエルサルバドルがビットコインを法定通貨として認めた。これまで米ドルを主要な法定通貨としてきた同国だが、今後はビットコインも日常の決済や納税などに利用できるようになるという。

 一方で専門家たちの意見は「価格がこれだけ変動するものを使って、決済しようとは普通は思わない」と冷ややかだ。「多くの国民はドルを使い続けるだろう」との声もあり、今後の動きに注目が集まっている。

日本版のデジタル通貨はどうなる?日銀の決済機構局長に聞く

 2021年4月、日銀が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始した。現時点でCBDCを発行する具体的な計画はないものの「いざというときに日本が取り残されないようにしっかり準備しておく」のが狙いだという。

規制強化は仮想通貨の「敵」か

 暗号資産の活用が世界的に広がる一方で、国家が暗号資産の規制に乗り出すケースも増えている2021年6月には英国の金融監督当局が、仮想通貨交換業の世界大手・バイナンスの英国法人の事業活動を禁止した。表向きの理由は「無許可営業」だが、その背景には急速に拡大する各種仮想通貨に対する危機感がある。

中国が仮想通貨全面禁止、背景と行方を探る

 暗号資産への規制を強めているのは欧米諸国ばかりではない。中国では暗号資産に関する「あらゆる活動が非合法化」され、違法行為に関与した人物・団体は誰でも厳罰に処されることになった。今後は全国的な取り締まりも予定されているというが、専門家の間ではこうした規制がどこまで実効性を持つのか、疑問の声も上がっている。

メルカリとパリーグがNFT参入、スポーツ産業再興の一手となるか

 一方、新たな活用方法により注目を集めているのは暗号資産の一種である「NFT」だ。NFTは非代替性トークンとも呼ばれ、「デジタルデータに識別情報を持たせ、データの改ざんや複製を防いでデジタル作品の所有者を証明できる」機能を持つという。

 このNFTを活用したデジタルデータの取引は米国を中心に広がりつつあるが、日本でもメルカリとパシフィックリーグマーケティング(東京・中央)が共同で「プロ野球の名場面を切り取った動画コンテンツ」の販売に乗り出している。

通貨価値300倍に 東南アジア発「リアルで稼げるゲーム」経済圏

 東南アジアでは、ゲームで暗号資産を「稼ぐ」仕組みも作られている。これらのゲームは「ブロックチェーンゲーム」と呼ばれ、新たな種類のものが続々と登場しているという。フィリピンやインドネシアなどでは少なくとも150万人以上がゲームによって生計を立てているといい、スクウェア・エニックス・ホールディングスなどの日本企業もこうした現状に興味を示している。

最後に

 ビットコインに代表される暗号資産。法定通貨として導入する国がある一方で暗号資産に関するすべての活動を「違法」とする国もあるなど、国家による対応は分かれている。だが暗号資産の拡大はインターネット技術の進歩と連動しており、この動きは今後ますます加速すると考えられる。暗号資産が私たちの生活や企業活動にどのような影響を与えていくのか、これからも注目していきたい。

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