持続可能な世界の実現に向けて、国や民間企業が取り組むべき17のゴール・169のターゲットを掲げた「SDGs(持続可能な開発目標)」。2016年から2030年までの15年間という限られた期限内に目標を達成するには、国家間の国際協調から民間企業の意識改革まで、さまざまな課題のクリアが必要だ。今回はSDGs関連の過去記事から、注目すべきポイントを改めて取りあげる。

SDGs(持続可能な開発目標)とは?

 SDGsとは「持続可能な開発目標」を意味する英語、「Sustainable Development Goals」の略で、エスディージーズと読む。2015年9月の国連サミットで採択されたアジェンダには、2016年から2030年までの国際目標として「17のゴール(なりたい姿)」「169のターゲット(具体的な達成基準)」が設定されている。(参考:国連広報センター「持続可能な開発のための 2030アジェンダ」)

 SDGs以前の国際目標は国やNGOを主体とするものがほとんどだった。これに対しSDGsでは、国だけでなく民間企業による取り組みまで求めているのが特徴だ。SDGs関連事業の市場規模は12兆ドルともいわれており、すでにグローバル企業を中心にさまざまな取り組みが始まっている。ここでは過去記事を通して、SDGsに向けた日本政府や日本企業の取り組みを中心に紹介する。

「SDGsの広まりは消費者、政府を変える」

 SDGsは「地球の未来と人類のためのプラン」と語るのは、国連本部SDGs担当特別顧問のデヴィッド・ナバロ博士。取り組みの主体となるのは国連や各国の政府・議会だけでなく、民間企業や市民団体などあらゆる種類の集団だ。

 中でも民間企業にかけられる期待は大きい。各企業には「SDGsに合わせた自社戦略の検証」や「イノベーション・研究開発」、「SDGsに貢献する事業の実施」や「その普及」が求められている。世界中に巨大市場を抱え、アフリカ市場にも熱心な日本企業もその例外ではない。

 2017年1月時点、日本を含む50カ国以上がSDGsに取り組んでおり、さらに約50カ国がそれに続く動きを見せている。各国の自治体や携帯電話会社、広告代理店などもそれぞれの立場から取り組みを進めており、今後ますますこの動きが広がると期待されている。

G7でパリ協定とSDGsの音頭とれるか

 2016年5月に開催された主要7か国(G7)伊勢志摩サミットでは、15年に採択された「温暖化に関するパリ協定」と、SDGsを核とする「2030アジェンダ」に向けた、日本の取り組みや技術力を発信する絶好の機会となった。

 G7に先立つ環境大臣会合の開催地となったのは、2008年にレジ袋の無料配布中止を打ち出し、内閣府の環境未来都市に選定されている富山県だった。またG7やそれに関連した会合で各国閣僚が利用する移動手段は「究極のエコカー」である燃料電池車。自治体や企業の取り組みをアピールすることで、G7議長国としてSDGsの音頭をとろうという狙いがあった。

日本人が満足し続けるために必要なSDGs

 安倍首相を本部長にした持続可能な開発目標(SDGs)推進本部の設置、経団連による「SDGsの基本理念を取り入れた行動指針の改定」など、SDGsへの取り組みを官民あげて推進する日本。達成状況は157カ国中11位と上位だが、一方で目標12の「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」や目標5の「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」については厳しい評価を受けている。

 これらの目標を実現するには、サプライチェーンを構成する企業全体での取り組みと情報の共有、消費者一人ひとりの意識改革が必要だ。

[報告]ANA「SDGsはビジネスへつなげることが重要」

 ANAホールディングスでは、SDGsに向けた積極的な取り組みを進めている。たとえば目標7の「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」と、目標13の「気候変動に具体的な対策を」を実現するため、二酸化炭素の排出を抑えた新しい機材を導入したり、石油の代替燃料の検討を行っている。2014~16年度にかけては、着陸後の地上走行で片方のエンジンを止めたりこまめに洗浄するなどの工夫で「200リットルのドラム缶約21万個分の燃料節減」にも成功した。

 他に車いすの改良や「コミュニケーション支援ボード」の活用、学生を対象にした次世代育成プログラムなどもSDGsの実現に向けた取り組みの一環だ。

パナが社食で「SDGs」、さかなクンも「ギョギョウマ!」

 パナソニックではSDGsに向けて、「サステナブル・シーフード」を用いた料理を社員食堂で提供している。サステナブル・シーフードとは自然や資源、地域社会に配慮して漁獲・養殖された水産物のことで、天然水産物向けの「MSC認証」や養殖水産物向けの「ASC認証」の取得がひとつの基準となる。同社の取り組みは2018年度から行われており、すでに関西を中心に国内11拠点で1万9913食を売り上げた(2019年2月末時点)。

全世界が動き出している

 2030年までに、全世界で官民あげた対応が求められるSDGs。17のゴール・169のターゲットすべてを達成するための方法論を以下の記事から学んでいこう。

 残された期間内で世界がどのように協調していくか、今後の国や企業の対応に注目が集まっている。

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