働く場所や時間にとらわれない、ギグワーク。企業との雇用契約を結ぶ代わりに単発の仕事をスポットで請け負うというもので、主に「ウーバーイーツの配達員」などに代表される働き方だ。今回はギグワークをテーマにした過去記事のトピックを紹介していく。

日本でも人気を集める「ギグワーク」

 ギグワークとは、企業との雇用契約を結ばずに単発の仕事を請け負う働き方のことを指す言葉だ。日雇い労働を意味する英語のスラング「ギグ(Gig)」と、仕事を意味する「ワーク(Work)」を組み合わせた造語として、2019年ごろに登場したといわれる。

 ギグワークは場所や時間にとらわれない自由な働き方として人気を集めており、発祥の地アメリカはもちろん、日本でも若い世代を中心にギグワーカーが増えている。特に都市部で見かけることの多い「ウーバーイーツ」の配達も、ギグワークの代表例だ。

 ギグワークは働き手だけでなく、彼らを利用する企業にとってもメリットが大きい。アルバイトよりもさらに手軽に雇うことが可能で、基本的に労災保険・雇用保険の対象にもならないと考えられるためだ。しかしこうした仕組みや企業の認識が、トラブルを引き起こしているケースも少なくない。

 この記事ではギグワークという働き方についての識者の見方やギグワークの課題、そしてギグワークを推進している国内企業の事例について過去記事から振り返っていく。

世界の潮流は「ギグワーク」へ、「ジョブ型」提唱者の見る近未来

 「ジョブ型」という言葉の生みの親である労働政策研究所の所長・濱口桂一郎氏によると、すでに世界の潮流は「ジョブ型からギグワークへ」移行しつつあるという。

 これまでひとまとまりのジョブを細かいタスクに分解するには非常にコストがかかったが、AIの発達などでタスク単位での発注が容易になり、ギグワーカーを効率的に利用できるようになったためだ。

ウーバーイーツが映す日本の将来図、「雇われない社会」への胎動

 実際、日本でもウーバーイーツの配達をはじめとするギグワークが広がりを見せている。一方で勤務中の事故やけがに対する対応をめぐっては、発注側とギグワーカーの間でトラブルに発展することもある。

 その一例が、ウーバーイーツのサービスを手がける「ウーバーイーツジャパン」と配達員の労働組合「ウーバーイーツユニオン」との対立だ。団体交渉を要求するユニオンに対し、ウーバー側は「労働者に該当しない」と交渉を拒否しており、両者が折り合う道筋は見えていないという。

スキルシェアのココナラ、働き手が値付けで一流集う

 それでもウーバーイーツに限らず、ギグワークはさまざまなジャンルで成長を見せている。スキルシェアの仲介サイト「ココナラ」も、そうしたサービスのひとつだ。

 ココナラにはデザインやライティングといったオーソドックスなものから「ウエディングムービーを制作します」「愚痴、悩み、なんでも聞きます」「元人事部長が模擬面接します」といったものまで、およそ450種類以上の案件が掲載されている。同様のサイトは他にもあるが、こうしたサービスを利用するギグワーカーやフリーランスの数は、2021年初頭時点で1670万人(労働力人口の24%)に上るという。

ビザスク上場、100万人の「稼ぎたい個人」が織りなす未来の景色

 スキルシェアサービスで急成長した企業のひとつがビザスクだ。2020年3月には東証マザーズに上場し、創業からわずか8年で10万人の「アドバイザー」が登録する巨大サービスになった。

 日本型雇用が崩れつつある中、ビザスクのスキルシェアサービスを含むギグワークは、日本人にとって「新しい稼ぎ方」になると期待されている。

最後に

 ギグワークは企業に属さない日雇い型の労働形態だ。スキルシェアも含め、ギグワークにはさまざまな種類が存在している。ギグワーカーは日本でも着実に増えつつあるが、一方で雇用契約が存在しないゆえのトラブルが発生することも少なくない。今後ギグワークがどのように社会に定着していくのか、しっかりと見守っていきたい。

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