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ラグビーの英国のチームにはアフリカ系選手が少ない

   

 実はサッカーと違い、ラグビーの英国の各チームにはアフリカ系選手が少ない。アフリカ系選手の身体能力がコンタクトが多いラグビーに合わないという指摘もあるが、保守的なラグビー界の壁も少なからずあるだろう。

 ラグビーは白人の上流階級のスポーツとして楽しまれてきた。ラグビー発祥となった英国のラグビー校は、上流階級の子供たちが集まるエリート校だ。またオックスフォードやケンブリッジなどのエリート大学でもラグビーが盛んだ。ボリスやスタンレーなどエリート層が熱中するのもうなずける。

 昨年11月にラグビーの聖地「トゥイッケナム競技場」で日本代表とイングランド代表とのテストマッチがあった。筆者が周りを見渡した限り、ほとんどが白人男性で、サッカーや他のスポーツとのファン層の違いを実感した。ロンドンの公園ではラグビーの楽しむグループが多くいるが、大半が白人男性だ。

日本とイングランドのテストマッチの観客は、大半が白人男性だった

 スポーツで社会情勢の全てが変わる訳ではないが、これまでアフリカ系選手があまり目立たなかったラグビー界で活躍し、国民の英雄になることは、移民に対する見方が変わるきっかけになるかもしれない。

 最後に準決勝の展望について言及したい。下馬評では、イングランドとウェールズは共に分が悪い。特にイングランドは優勝候補筆頭のニュージーランドと激突する。

 だが、波乱の雰囲気もある。イングランドのヘッドコーチ(HC)のエディー・ジョーンズが記者会見で、「誰もイングランドが勝つとは思っていないでしょう。ニュージーランドはプレッシャーを感じているはずだ」と言って、不敵な笑みを浮かべていた。前回大会でジョーンズが日本代表のHCとして、南アフリカ戦を前にした時も同じような雰囲気があり、その後大金星を上げた。英国民はブレグジットと共に、ラグビーの行方も固唾を飲んで見守っている。