いまどき、マンガを題材にした教材は数々あれど、人気マンガの登場人物の心理、行動を読み解くことで、自分の「強み」「弱み」とその活かし方を説明した書籍はおそらく本邦初だったのではないでしょうか。

 おかげさまで10万部を突破、ベストセラーとなりました『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』、その最大の面白さは、『宇宙兄弟』という原作の力をお借りしたところにあります。

 その感謝の想いも込めまして、著者の古野俊幸さんが、『宇宙兄弟』の作者、小山宙哉さんにインタビューをさせていただきました。実際の人間と同じ理論で分析できてしまうほど、リアリティに富んだ小山さんの“キャラ作り”の秘密に迫ります。

・ご自身がどのタイプになるのかを知りたい方はこちら
・FFS理論(開発者:小林 惠智博士)について詳しくはこちら

現実の人間を分析する手法がそのまま通用してしまう

古野俊幸(以下、古野):初めまして、どうぞよろしくお願いいたします。

小山宙哉(以下、小山):よろしくお願いいたします。

古野:『あなたの知らないあなたの強み』を執筆するにあたり、『宇宙兄弟』を何度も読み込みました。そこで感じ入ったのが、登場人物の個性の描き分けです。見事だなと思いました。

 『あなたの知らない……』では、宇宙兄弟に登場する人物の思考や行動を例に挙げながらFFS理論を解説しています。実際の人間を分析するために作られたFFS理論に、宇宙兄弟のキャラクターを当てはめてタイプを「こうだろう」と設定し、それに基づいて行動を分析しても、まったく違和感がないんですよ。いったいどうやったらここまで人間らしいキャラクターを生み出せるのでしょう。(『宇宙兄弟』初代編集者、かつ本企画のプロデューサーである)佐渡島庸平さんから、小山さんはすごく人物観察されていると聞きましたが、その辺をぜひ伺いたいなと思っています。

小山:ありがとうございます。

古野:最初にFFS理論について少し説明させてください。FFS理論は、Five Factors and Stressといって、「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」の5つの因子の組み合わせで人の思考行動パターンを分析する理論です。

 本を書くにあたって、これら5つの因子を、登場人物を観察しながら当てはめていったんです。(ファンクラブの)コルクラボのメンバーにも協力してもらいました。具体的には、このような形になりました(ご自身がどのタイプになるのかを知りたい方はこちら)。

『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』より。宇宙兄弟のキャラクターをFFS理論で分析し、自分と似た登場人物の強み、弱みを通して自己理解、他者理解ができる
『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』より。宇宙兄弟のキャラクターをFFS理論で分析し、自分と似た登場人物の強み、弱みを通して自己理解、他者理解ができる
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 人によって強みになる因子が違いますが、『宇宙兄弟』の世界でも、それぞれの登場人物がそれぞれ個性を持った人物として成立しているんですね。FFS理論を知らない小山さんが、一人ひとりの個性を描き分けているのがすごいなと。

 順序が逆になりましたが(笑)現実の例を挙げますと、僕の場合は、「拡散性」が第一因子で、その次に「弁別性」と「凝縮性」。こういう因子の人は、こだわりが強く、合理的に考えて、外に飛び出していこうとする個性の持ち主です。

 そして、小山さんも分析させていただいたところ、結果は、「受容性」と「保全性」でしたね。面倒見がよく、みんなを幸せにしてあげたいと思うのが「受容性」。そのときに、できるだけ一歩一歩積み上げながら世界観を広げていこうとするのが「保全性」。この2つは『宇宙兄弟』の主人公である、ムッタ(※)と同じなんですよ(※南波六太、作中ではJAXAの宇宙飛行士)。

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