「もし、マンガ『宇宙兄弟』の登場人物が就活生だったら?」と仮定して、彼ら彼女らの振る舞いをFFS理論(開発者:小林惠智博士、詳しくはこちら)に沿って分析することで、就活生の方々が自己理解を深め、ご自身の強みや魅力を面接等で伝える自己発信の際のヒントを得ていただこう、というこの企画。第2回目の今回は、主人公である南波兄弟の弟、南波日々人(ヒビト)にフォーカスしたいと思います。
幼いころから宇宙飛行士になる夢を持った南波兄弟。兄の南波六太(ムッタ)が、メーカー就職→クビ、と、たいへんな遠回りをしてようやく夢をかなえたのに対し、ヒビトは夢に真っすぐ突き進み、宇宙航空研究開発機構(JAXA)史上最年少で宇宙飛行士になりました。
その愛すべきキャラクターと卓越した行動力によって、米航空宇宙局(NASA)では伝説的宇宙飛行士、ブライアン・Jからも目を掛けられ、彼の推薦によって日本人で初めて月面に立つという快挙を成し遂げるなど、絵に描いたようなサクセスストーリーを歩んでいきます(宇宙兄弟ファンはご存じの通り、「ある時点までは……」のただし書きがつきますが)。
ヒビトの個性をFFS理論で分析すると、「拡散性」の高いタイプであると考えられます(※ご自身の個性をFFS理論で簡易診断したい方はこちら)。
拙著『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたを引き出す自己分析』でも詳しく書きましたが、行動力や推進力、創造力に優れた「拡散性」の高い人は、「変革や推進ができそうな人材」として、変化を求める現代の企業が求める人材にも合致します。
拡散性の就活は順風満帆、と思いきや……?
「拡散性」の高い人は、エントリーシートや面接でアピールできる「ガクチカ」(学生時代に取り組んだこと)も華やかです。
興味が湧いて「やりたい」と思ったことには、躊躇なくすぐに動くので、様々な活動に首を突っ込みます。その結果、他の学生にはない体験談を手に入れるわけです。「拡散性」の高い人のガクチカは、採用側にとっても魅力的に映ることが多いでしょう。
ということで、「拡散性」の高い人の就活は順風満帆、何の問題もなし!
……かといえば、案外そうでもありません。
書籍でもお伝えしていることですが、人の個性を構成する因子の特徴がポジティブに発揮されれば「強み」になる一方で、ネガティブに発揮されれば「弱み」になります。つまり、その人の置かれた環境やストレス状態によって、同じ人でもポジティブな面が表れたり、ネガティブな面が表れたりするのです。
そして、因子の特徴がポジティブに発揮された場合と、ネガティブな場合とでは、相手に与える印象は180度違ってきます。
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