例えば、「愚直に練習したから、部活で成績を残すことができた」「ゼミや研究室で、教授の指導の下、仲間と一緒に協力しながら成し遂げた」。これらはガクチカ(学生時代に力を入れたこと)として華々しさに欠けるかもしれませんが、「慎重さ」という「保全性」の特性が十分に発揮されたエピソードになるはずです。

保全性のガクチカは、こうやって整理しよう

 このように、「自分の個性に合ったやり方で活動に取り組んだ」という視点でガクチカを棚卸しし、アピールすることが、就活ではとても大事です。

 結果的に成功したのか、失敗したのかは、それほど重要なことではありません。むしろ、「自分の個性に合ったやり方を知っていて、そのやり方で試行錯誤した」という事実を伝えることで、「この学生はちゃんと自己理解できている」と採用側に印象づけることができるのです。

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9巻 #88「5人の青レンジャー」
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 「保全性」の高い学生が、ガクチカを棚卸しする際のポイントを整理しておきます。次のような視点で自分の「強み」を整理して、発信できるように仕上げてみましょう。

  • 慎重だからこそ、事前に情報を集めて、きちんと準備した。
  • 新しいことを始める前には、知り合いに似た経験がないか聞いてみた。
  • 事前に計画を練り、何度も確認した。当然、想定されるリスクにも対策を講じた。
  • 可能な限り協力者を集めて、みんなで協力して成し遂げた。(仲間と協働することは得意)
  • いったん何かを始めたら、愚直に粘り強く続けた。(努力することも得意)
  • 途中で諦めなかったから、最後には成功することができた。(地道な継続は大の得意)

 上記のような視点でエピソードを整理すれば、「保全性」ならではの「慎重さ」を強みに取り組んだことを、面接やエントリーシートでアピールすることができます。

「保全性」が面接でやらかしがちな失敗とは?

 さて、就職先を検討するに当たり、「経験の積み重ね」を重視する「保全性」の高い人は、大学で学んだ専門領域を活かせる会社や、教授に勧められた会社を選ぶ人が多いのではないでしょうか。先輩に教えてもらって書き上げたエントリーシートには、面接で聞いてほしいエピソードを盛り込んでいることでしょう。

 ところが、あなたの思い通りに進まないのが、採用面接です。むしろ、“想定外の質問”をされることのほうが多いのです。

 そして、「保全性」の高い人は、この「想定外」にとても弱いのです。

1巻 #6「日々人の隣」
1巻 #6「日々人の隣」
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 「保全性」の高い人が、想定外の質問を受けるとどうなるでしょうか。

 「あっ、想定外だ」と思った途端、頭の中が真っ白になります。思考停止状態です。どう回答していいやら、言葉が出てこないので、面接官の質問を反芻するしかありません。冷や汗だけがタラーと出てきます。

 「エーッ。あー」と口ごもり、不安を隠そうとすればするほど、余計なことを口走って、墓穴を掘ってしまいます。

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