俺に任せろ――。これが責任感の強い「凝縮性」の親心です。しかし、この言葉だけでは、相手は不安になります。日本人初という名誉から外されるわけですから、「自分の能力が疑われたかもしれない」と疑問を抱くかもしれません。

 そこでブライアンは、アズマではなくヒビト(主人公、南波六太=ムッタの弟、南波日々人)を推す理由を説明するのです。

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6巻#52「一つの質問」
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 「『日本の歴史に名が残る』とか 『日本の評価を決める重大な役割』とかさ。そんな重圧 気になって宇宙で楽しめねえだろ。そんなもんまでお前が背負う必要はないぞ」

 相手の個性を理解して、動機づけするのは上司の役目です。さらに「相手の心情を気遣い、相手に合わせた対応をすること」も、ブライアンは自分の使命と捉えているのではないでしょうか。

そのまま主張すると、パワハラになったり、煙たがられたり

 かく言う私も、「凝縮性」の高い人間です。また、この連載企画のプロデューサーである佐渡島庸平さんも、「凝縮性」の高い人です。2人とも主張し過ぎる個性なので、日本という調和型の社会では生きにくい体験をしてきました。

 私の場合、学生時代の新聞部で編集長に向かって「ジャーナリズムとして、こうあるべきだ」と主張して四面楚歌になったり、新卒で入社した会社で、上司に向かって「そもそも、それは正しくありません」と主張して、煙たがられたりしたことは何度もありました……。

 さて、「凝縮・上司」の言動がパワハラと誤解されないためにどうすればよいのか。そう問われれば、答えはこれしかありません。