すれ違いが生んでしまう不幸な関係

 ここで、冒頭の相談に戻ります。「この仕事、興味ありません」と平気で言う部下を、どう育てればいいか、というお悩みです。

 こうした問題は、「保全・上司」と、「拡散・部下」の間でよく起こります。つまり、ムッタのようなタイプの上司に、ヒビトのようなタイプの部下が付いた場合です。

 「保全・上司」は、事前に資料を読み込ませてから、ロープレを経て、少しずつ実践させていく方法をとります。それが自分の学習スタイルでもあり、「良い育て方」と理解しているからです。

 しかし、「拡散・部下」にとっては、そのやり方は「面倒くさい」「面白くない」ものなので、まるで興味を示しません。なんでも自分の好きなようにやりたいので、「放っておいてほしい」と思っているはずです。

 上司がやり方を押し付ければ、興味を失うでしょう。もしくは、上司の言うことには聞く耳を持たずに、自分勝手にトライアルをしようとします。

 すると、どうなるでしょうか。

 上司は部下を「言うことを聞かない扱いにくいヤツ」と評価します。一方、部下は上司のことを、「自分のことを理解してくれない」「好きにさせてくれない」と感じ、「行動を制約する駄目な上司」と評価します。このようにお互いを低く評価してしまうのです。

 さらに、こうしたすれ違いによって部下が極度のストレス状態に追い込まれると、上司に対して攻撃的になりかねません。上司にはなおさら「やはりこいつは苦手な部下だ」という印象を固めてしまいます。

「拡散・部下」を動かす、とっておきの方法

 さて、保全性の高いあなたが拡散性の高い人を部下に持った場合、どうするのがいいでしょうか。

 「拡散性」の高い人は、「好き」や「興味」が最大の学習動機になります。「拡散・部下」をやる気にさせたいなら、本人の好きなやり方で任せるのが一番です。

 あるいは、部下が「つまらない」と思っている仕事を、「こんな面白いこと」に変えてみる。部下が興味を持つよう意味づけを変えることが、「拡散・部下」を動かす唯一の方法です。

次ページ 仕事は同じでも、意味づけは変えられる