決めるのが苦手なら、決められる人の力を借りよう

 繰り返しになりますが、「受容性」の高い人にお伝えしたいのは、「受容性」の強みとストレッサーを通じた自己理解の重要性です。

 つまり、「自分一人では合意を重視し過ぎるため、反対意見があると、押し切って決めることに抵抗を感じる」と自覚することです。

 この認識が不足していると、自分の実力を勘違いし、「受容性」の本来の強みを活かす道が閉ざされてしまいます。

 「決められない」のは、能力として劣っているのではなく、そういう個性なのです。
 だから、それでいいのです。

 「受容性」の意思決定の方法としては、丁寧な合意形成を心がけることが1つですが、もう1つの方法として、「決めるのが苦手なら、決めるのが得意な人の力を借りればいい」ということも覚えておいてください。

 つまり、自分でなんとかしなくたっていいのです。そういうのが上手な人にやらせましょう。要はチームとして、組織として、「成果に導ければいい」と理解することが大切です。

 あなたと異なる個性のメンバーは、それぞれに得意なことが違います。それぞれの得意や強みをかけ合わせて、一人では実現できないことを成し遂げるのが、チームの力です。

 判断に困ったら、合理的に考えるのが得意な「弁別性」の高い人に聞きましょう。
 決断できないときは、スバッと決められる「凝縮性」の高い人に任せましょう。
 ありきたりでつまらないと思ったら、創造力の豊かな「拡散性」の高い人を動機づけて、アイデアを出してもらいましょう。
 チーム運営を効率化したかったら、仕組みづくりの得意な「保全性」の高い人に手伝ってもらいましょう。

 改めて自分の周りの人たちの顔を思い浮かべてみてください。もしかしたら、無意識のうちに彼らの力を借りて、物事がうまくいったケースもあるかもしれません。その視点を意識して、面接やエントリーシートで語るエピソードを組み立て直してみることもおすすめです。

 これは「他人の強みを理解し、組織運営に役立てる」ということで、もしエピソードとしてその文脈で語れたら最強レベルです。社会人でもそこまで考えて動ける人はそういません(だからこそ、私は本を書いたわけですし、おかげさまで好評をいただいているわけです)。

[画像のクリックで拡大表示]
21巻#202「突破口」
21巻#202「突破口」
[画像のクリックで拡大表示]

 そもそも仕事はチームで行うものですから、「仲間と協力しながら、チームで活躍できる」ことは、就活において最大のアピールポイントになるはずです。ということはやっぱり「受容性が高い」ことは、日本の企業の就活には相当有利なんですよね。

© Chuya Koyama/Kodansha
(構成:前田 はるみ

『日経ビジネス×宇宙兄弟×FFS理論』セミナー

チームの「強み」を引き出すリーダー力講座
宇宙兄弟とFFS理論で学ぶ、個性の把握とその活かし方

 この度、本連載を執筆されている古野俊幸氏を講師にお迎えした、セミナーの開催が決定いたしました。

 昨年来、連載内でご紹介してきた「Five Factors and Stress (FFS)」を使い、悩み多き“部下を持つリーダー”のための講座です。

 成功するには、「自分の特性を理解し、強みを活かし、弱みは他者と補い合う」ことが必要です。

 セミナーでは、まずご自身がFFS診断を受けることで自己理解を深め、あなたの「強み」を活かした働き方やキャリアの伸ばし方を知っていただきます。

 その上でリアルな人間描写で人気のコミック『宇宙兄弟』のキャラクターのふるまいや成長を通して、上司、部下、同僚など、他者の個性への理解を深めることで、円滑な人間関係の構築やチームとしてのパフォーマンス向上に役立てていただけます。

 部下の強みを引き出す上司、「強いチームのリーダー」となっていただくための講座です。ご参加をお待ちしております。

開催日:2020年10月12日(月曜日)

時間:10:00~18:00 ※開場9:30予定

場所:東京・御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター

お申し込みはこちらから。

宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる
あなたの知らない あなたの強み

個人の力を引き出し、チーム全体の歯車をかみ合わせるために、ソニー、ホンダ、LINEなど約800社が採用する「FFS理論」。
FFS理論の視点で人気コミック『宇宙兄弟』の名シーンを読んでいくことで、
「自分の知らなかった自分自身の強み、その活かし方」
「他人の個性を理解する手がかりの見つけ方」
「チームの力の引き出し方」
が、どんどんインプットされていきます。

本書購読者限定の「Web診断アクセスコード」が付いているので、自分の強み、弱み、そして自分に近い宇宙兄弟のキャラクターがすぐ分かります。ぜひお試しください。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

この記事はシリーズ「「一歩踏み出せない」あなたをエースにする方法」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。