彼の友達のESには、大企業でのインターン、学生NPOの立ち上げ、サークル活動の実績などなど、華々しい活躍のエピソードが並んでいたそうです。それと(一見地味な)自分のESを比較して、落ち込んでいたのでした。

 相談の主は、FFS理論で個性診断すると、「保全性」が高いタイプです。

 「保全性」の高い人は、「物事をコツコツと確実に進めていく」特性の持ち主です。日本人に最も多いタイプ(「受容性」「保全性」が高い人が多い)ですので、今回は「保全性」の高い人の強みを生かした、就活での戦い方について見ていきましょう。

「保全性」が高い人がハマる「拡散性」への憧れ

 保全性の高い人は「確実に進めたい」、つまり「失敗したくない」という気持ちが強い。
 ですから、とても慎重です。

 また、周囲からの評価も気になります。「できないんだな」と思われることを嫌がります。そのため、何事も始めるときは十分に準備をしてからでなければ最初の一歩を踏み出せません。

 一方、彼の友人は真反対の個性のようです。FFS理論で分析すると、おそらく「拡散性」の高いタイプです。

 「拡散性」の高い人は、瞬発力が最大の強み。しかも、手順、ルール、枠組みを飛び越えてしまうことに躊躇がありません。

 ですので、人がなかなかできない体験をしたり、意外な人とのネットワークを築いたりします。また、自分で「こうしたい」と主張することにもプレッシャーを感じないので、集団の中で「リーダー」や「代表」という肩書を獲得しやすいのです。こうなると、ESに書ける派手なエピソードに事欠きません。

 「保全性」の高い人からすれば、どれも自分にないものです。そんな「拡散性」の高い人を、羨ましく感じるのもうなずけるのですが……。

 しかし、個性が違えば、強みは異なります。
 「保全性」の高い人には、「保全性」の強みがあります。

 「保全性」の高い人に注意していただきたいのは「拡散性の人の強みがいかに眩しく見えても気にするな」ということです。

 慎重な個性の人が、失敗をものともせずに飛び込んでいける人をマネしても、辛いだけですし、どこかで必ず綻びが生じます。そもそも「保全性」の強みが出せなくなってしまいます。

「慎重さ」という強みをどうアピールすればいいか

 では、「保全性」の高い人は、就活でどう戦えばいいのでしょうか。

 難しく考える必要はありません。繰り返しになりますが、正しく自己理解できれば、自分の個性を活かした戦い方はおのずと見えてきます。

 正しい自己理解のために、FFS理論による個性診断をぜひ活用してください。自分の個性を構成する5つの因子を把握した上で、「拡散性」と「保全性」の違いを理解すれば、本来の強みである「保全性」の特性を武器として使うことが自信になると思います。

 「保全性」の強みは何かといえば、ズバリ「慎重さ」です。
 「それのどこが強みになるの?」と思う方もいるかもしれません。

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