「よかれと思ったのに、怒らせてしまった」「なぜあの人はああいう行動をするのだろう」。組織の生産性に、働く個人の特性は大きな影響を与える。特性を理解する手がかりになるのが、小林惠智氏が開発した「Five Factors and Stress (FFS)理論」。人間の特性を5つの因子、「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」に整理し、それぞれの因子の多さの順番によって、その人が示す反応・行動を計量するものだ。人気コミックの『宇宙兄弟』(小山宙哉作)を題材に、自分の、チームの、会社の生産性をアップするFFSの考え方を紹介していく。
シリーズ
「一歩踏み出せない」あなたをエースにする方法

31回
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板挟みを「自己犠牲」で解決してはいけない理由
社会人の方ならば「総論賛成でなんとなく話はまとまったけれど、メンバーからさっぱり活気が出てこない企画」といえば「ははあ、あれか」と思われるかもしれません。そう、実際、企業内部でもこういう結論はありがちですよね。
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面接官受け抜群、北村絵名に学ぶ「受容性」の強みと弱み
マンガ『宇宙兄弟』の登場人物のなかで、面接官に最も好印象を与えそうなキャラクターといえば、誰でしょう? 、私の考えでは、主人公ムッタの同期である、JAXA宇宙飛行士・北村絵名です。FFS理論で絵名の個性を分析すると、「受…
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面接官をがっくりさせた「拡散性」が高い就活生の言葉とは
「拡散性」が高いS君。サークルを立ち上げたり、ベンチャー企業でのインターンシップ参加などから「行動力のある学生だ」と期待を集め、採用担当者のNさんもS君に注目していました。しかし……。
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就活で意外に苦戦する「ガクチカ華やか」な人材
どのタイプでもそうですが、特に「拡散性」の高い人の場合は、「自分のポジ/ネガの状態をきちんと把握したうえで、自分の強みや魅力を丁寧に伝える工夫」が必要かもしれません。それはなぜか。
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もし、『宇宙兄弟』の登場人物たちが就活生だったら?
小山宙哉さんが描いた『宇宙兄弟』の個性的なキャラクターの振る舞いをFFS理論に沿って分析し、彼ら彼女らと似た個性を持つ人が、就活の現場でついやってしまいがちな行動、やらかしがちな失敗を取り上げていきます。
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最初の配属先で、会社員人生がほぼ決まってしまうとしたら
チームには自分と個性が異なる人がいることも、この分布図から分かります。個性が違えば、お互いに理解するのに時間がかかります。ただ、「この人とは強みが異なる」と最初から分かっていれば、うまく連携していくこともできます。
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“志望動機”を一切聞かない企業。その理由は?
だって、多くの学生が同じことを言うじゃないですか。御社の理念に共鳴しました、とか、この事業は伸びそうです、とか。それよりも、面接では我々が聞きたいことを聞くから、自己PRも考えないでおくれと。
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人の成長を数式化?! セプテーニの『マネー・ボール』採用戦略
今回からは、企業がチーム作りや人材採用に「FFS理論」をどのように使い、成果につなげているのかをご紹介していく。いやいや、人事は「人間関係」。それを理屈や数字で解決できるなら、苦労はない。そう思う方はたくさんいるはずだが…
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佐渡島氏から教わったキャラクター作りの金言
自分と一緒に生きてきた感じがあったり、キャラクターが言った言葉が自分の考えの一部になったり。友達のような実在に近い形になれたら、マンガのキャラクターとしてはすごくいいと思うんです。
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宇宙兄弟・小山宙哉氏「誰でも主人公にできると気付いた」
昔、ふと考えたことはあります。いろんな人物がいる中で、どんな人がマンガの主人公になるだろうか。そう考えたときに、「誰を主人公にすることもできる」、と気づいたんです。
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「理解できない学生」を採用できない人事の罪
面接官が理解しにくい相手とは、面接官と異なるタイプの学生です。面接官が学生の能力や特性を判断しようにも、自分とは異なるタイプなので「分からない」となり、「不採用」と判定してしまうのです。
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合理的で優秀、なのに「伸びしろ無し」と判断される就活生
「弁別性」の高い人は、何らかの根拠(データ、経験)を基に「必要」か「必要ではない」かを常に考え、「必要」と判断したものを直ちに選択します。合理性や投資・費用対効果を重んじ、効率的に物事を進めようとします。
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『宇宙兄弟』から見る、リモートワーク万歳な人、苦手な人
リモートワークを試してみたら、「意外とオンラインでも大丈夫なんじゃない?」と感じた人が多かったようで、「だったら、わざわざオフィスを構える必要ないね」とオフィス不要論も飛び出しました。
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「決められない」あなたが、面接官に語るべき体験談
何事もない平時であれば、「受容性」の高い人は抜群の面倒見の良さを発揮して、うまくチームをまとめていきます。言い換えれば「平時」に、面倒見の良さを買われてリーダーに就任するわけです。
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就活で挫折する「残念な変わり者」たち
「拡散性」の高い人は、潜在的に「ユニークな存在」になり得る特徴を持っているにもかかわらず、本人の未熟さが露呈すると、組織では活躍しづらい人、会社員に向かないヤツ、と評価されてしまうのです。
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あなたの「ガクチカ」には無理がある
「先頭に立って、目標達成に向けてリードしました」といったストーリーを語りたくなるのは、まず「リーダーシップ」というものへの思い込みがあり、そして、「自分にないもの」に憧れたり、面接官によく思われたい気持ちがあったりするか…
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就活で苦戦する学生は「強み」を勘違いしている
今回はいつもと趣向を変えて、就活生の方々に向けて、正しい自己理解の仕方と、就活での自分の強みの活かし方(面接やエントリーシートでのアピールの仕方)をお伝えしたいと思います。
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「心理的安全性」と「安心できる」はずいぶん違う
日本と米国とでは、もともとの社会的な意識が大きく違います。でも、「自分(の社会常識)」を起点にして、我田引水的な解釈で「心理的安全性」を理解し、もてはやしている。私はそんな気がしてなりません。
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「自分勝手に振る舞う人」にストレスを感じたら
「拡散性」が高い人が組織の中でその特性を発揮すると「自分勝手に動く」「ルールを無視する」「協調性がない」などなど、いわゆる「チームの和を乱す身勝手な人」と見られがちです。おそらくですが、あなたの職場にも1人や2人はいるの…
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「決められない」のは立派な個性であり武器である
難しい意思決定をしなければならないときに、つい逃げ出したくなる。「ジャンケンで決められたらラクなのに……」。FFS理論でいうと、「受容性」と「保全性」の高い人と言えます。日本人のおよそ6割が、このタイプに当てはまります。
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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