日本が強みを誇ってきた化学産業に技術革新のうねりが押し寄せている。キーワードは「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」。最先端のIT(情報技術)の知見を取り入れ、目的とする素材の組成や構造をコンピューターで素早く割り出す試みだ。素材を知り尽くした技術者が何度も実験を繰り返してようやく探り当ててきた新素材。これからは量子コンピューターやAI(人工知能)が一瞬にして新素材を導き出す日が来るかもしれない。欧米や中国も巻き込んで過熱するMIの最前線を4回にわたって紹介する。
(写真:Максим Ивасюк/Getty Images)