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 ドイツの医薬・農薬大手バイエル傘下の日本法人で、農薬の開発や製造などを行うバイエルクロップサイエンスは10月4日、東京都内で記者会見を開き、日本の農業が直面している課題の解決に注力していくことを明らかにした。日本の農業は担い手の不足や高齢化が著しい。同社はこれまでも田植えと同時に除草剤を散布する技術などで農業の効率改善を進めてきており、今後も農家に課題解決策を提案することで事業の拡大を目指す。

 日本の農業就業人口は減り続けている。農林水産省の統計によると、2000年に約389万人だった農業就業人口は2015年に約210万人まで減少。19年は概数値で約168万人となっている。高齢化も深刻で、農業就業人口の平均年齢は18年時点で66.8歳だ。

 一方で新規就農数はわずかながら増える傾向にある。また全農地に対する大規模農家が保有する農地の面積の割合は高まっている。日本の農業を取り巻いているこうした現状を踏まえると、農業の一層の効率化は不可欠だ。

 バイエルクロップサイエンスが特に力を入れているのがドローンを使った農薬散布や農業のデジタル化などの取り組みだ。記者会見では、バイエルクロップサイエンスのハーラルト・プリンツ社長らとともに、同社と協業するドローンメーカーの共同創業者が登壇した。

愛媛県では柑橘(かんきつ)類へのドローンによる農薬散布を実演した

 そのドローンメーカーが中国の広州市に本社を置くXAGである。バイエルクロップサイエンスとXAGは18年11月、共同で事業開発を進める独占契約を結んだ。ドローンそのものを販売するビジネスのほか、ドローンによる農薬散布技術の開発や農業のデジタル化などを両社で進めている。