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 2016年秋、ビームサントリーの主力生産拠点である米ケンタッキー州を訪ねたサントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長は、言葉を失った。ジムビーム蒸留所で、多くの従業員が仕事を投げ出し、ストライキが起きていた。

 「俺がそんなに悪いことをしたかな」。統合から2年。企業規模では旧ビームの数倍あったサントリーだが、スピリッツ業界では小が大をのむと評された。誇り高きクラフトマンたちが反旗を翻しても、不思議ではない。だが、それが誤解であることはすぐに分かった。怒りの矛先は、飛行機で1時間離れたイリノイ州ディアフィールドの旧本社に居並ぶ経営陣に向いていた。