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 「(米蒸留酒大手ビームとの)統合第一幕は完了した」。10月初旬、サントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長は本誌の取材にこう語った。3月に日米共同開発のウイスキー「リージェント」を米国で発売。サントリーとビームが一緒になってものを作り、販売する連携に手応えがあるのだろう。「中国、インド、東南アジアに向かう。とりわけインド、中国に入り込むのは時間がかかる。それを腹をくくってやろうじゃないかと話している」とも述べた。

 ビームサントリーは統合後、5期連続で増収(為替の影響を除く、内部管理ベース)となり、2018年の売上高は約5200億円(IFRS基準、酒税を除く)。グローバル戦略の要と位置付ける同社は「次のステージ」(新浪氏)と考えている新興国市場の開拓を見通せる段階に入った。

サントリーHDの新浪剛史社長(写真右)は「不退転の決意で、統合作業を進めてきた」と語る。左はビームサントリーのケンタッキー州にある蒸留所

 ただ、ここまでの道のりは平たんではなかった。買収から半年も経たない14年秋。サントリーHDの社長に就任した新浪氏は、すぐに渡米したが戸惑うばかりだった。ビームサントリーの経営トップが工場に出向かない。ブランド力の高い「ジムビーム」は売れていたが、生産設備への投資さえ怠っていた。