2014年に米蒸留酒大手ビームを160億ドルを投じて買収したサントリーホールディングス(HD)。傘下に収めたビームの面々はプライドの塊だった。「バーボンは米国の心。ロックフェラーセンターを買収したようなもの」とサントリーHDの5代目社長、新浪剛史氏は思った。抵抗するビーム側とどうやって人間関係をつくり、統合作業を進めていったのか。ビームの強さを認める一方、日本流の良さをどうやって浸透させていったのか。共同開発品の発売だけではない。ものづくりや営業の現場でも統合の効果は見え始めている。