「逃亡犯条例」改正の審議をきっかけに始まった香港のデモ。香港政府は同条例の撤回を発表したが、収束する気配はない。香港の若者たちは何に苦しみ、怒るのか。現地取材を通じて、彼らを追い込んだ香港社会の「構造」を考える。
シリーズ
香港2019

完結
12回
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周保松との対話、香港の若者たちが抱える闇 - 香港2019(12)
香港の「今」に迫る連載第12回――。香港ではデモと警察が火花を散らす影で、若者たちが自ら死を選んでいる。なぜ彼らは死を選ぶのか。香港中文大学の周保松副教授に話を聞いた。
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香港デモが組み込んだいくつもの「死」の物語 - 香港2019(11)
香港の「今」に迫る連載第11回――。香港のデモには「死」の物語が色濃く取り込まれている。それは、ある一人の男性の死から始まった。
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緊急法が発動、市民は司法審査の申し立てで対抗 - 香港2019(10)
香港の「今」に迫る連載第10回――。香港政府に治安維持のための最大の権限を持たせる事実上の戒厳令「緊急法」が発動した。デモ側は日本でいう違憲立法審査権の行使でこれを食い止めようと試みている。
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被弾高校生を起訴、事実上の戒厳令で覆面禁止法も - 香港2019(9)
香港の「今」に迫る連載第9回――。政府は強面を崩さない。10月1日に香港警察に実弾で撃たれた高校生を検察が起訴。覆面を禁じる法律を成立させる緊急法の発動に踏み切る動きも見せ始めた。
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警察の実弾発射は「偶発」ではなく「方針転換」か - 香港2019(8)
香港の「今」に迫る連載第8回――。10月1日に香港警察は6発の実弾を撃ち、少なくともそのうち一発が18歳の高校生に命中した。実弾発射は、偶発や暴走ではなく、警察の方針転換によるものの可能性が高い。
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流血の国慶節、警察が撃った実弾が高校生に命中 - 香港2019(7)
香港の「今」に迫る連載第7回――。10月1日にも香港各所で同時多発的に激しい衝突が起こった。デモ隊が警察を襲撃し、警察が実弾を発砲する場面も。流血の国慶節(中国の建国記念日)となった。
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国慶節へカウントダウン、中心街で燃え上がる火炎瓶 - 香港2019(6)
香港の「今」に迫る連載第6回――。この記事の配信から数時間後、中国は国慶節を迎える。だが、香港のデモは収束する気配がない。9月29日、銅鑼湾などの繁華街で大規模な衝突が発生した。
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弧を描く催涙弾、霧の向こうからゴム弾が襲う - 香港2019(5)
香港の「今」に迫る連載第5回――。元朗のデモ隊はショッピングモールを出た。夜の路上には警官隊が待ち構えている。怒号と罵声が飛び交う中、催涙弾が放物線を描いた。昼間にはありきたりな日常の姿を見せていた街は、その夜、私の目の…
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米議会が法案を可決、星条旗にすがる香港の悲壮 - 香港2019(4)
香港の「今」に迫る連載第4回――。日本時間の9月26日夜に、米国議会上下両院の外交委員会が「香港人権・民主主義法案」を全会一致で可決したというニュースが各紙から流れた。
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元朗襲撃事件、香港デモに宿る警察不信の原点 - 香港2019(3)
香港の「今」に迫る連載第3回――。私が元朗駅に立ったのは9月21日。そのちょうど2カ月前、7月21日に、香港社会の空気を一変させる忌まわしい事件がこの場所で起こった。白シャツの暴漢たちによる襲撃だ。
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香港デモ、ショッピングモールに響く“革命歌” - 香港2019(2)
香港の「今」に迫る連載第2回――。デモ隊は歌い始めた。曲名は「願栄光帰香港」。おおむねハ長調で歌われ、男女ともに歌いやすい。インターネットの掲示板で匿名のデモ支持者たちがデモで歌うために作曲・編曲したものだという。
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親政府派議員の囁き「習近平は香港デモを潰さない」 - 香港2019(1)
香港の「今」に迫る連載第1回――。親政府派議員は言った。「私の集めた複数の情報によると、習近平と中国政府は、もう10月1日までにデモを無理に収束させる気はないようです」。
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全8回