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 顧客の富裕層にアパート経営の営業に行くと、ほぼ全ての人が「アパートを建てるくらいなら軍用地を買う」と言う。そこで本格的に調べると、様々なメリットがあることが分かった。

持っているだけで借地料が増えるカラクリ

 例えば、借地権付き土地という扱いのため、相続税評価額が低く相続対策になる。また、日本政府が借地料を支払うため滞納がない。軍用地愛好家が「沖縄国債」と呼ぶゆえんだ。そして、毎年のように地代が上がる。

 元防衛省沖縄防衛局職員で、三浦氏と同じ軍用地投資家の仲里桂一氏によれば、彼が所有している嘉手納飛行場の借地料は年平均1.8%上昇している。複利的に上がるので、持っていればいるほど借地料は増える。

 相続税対策、国債並みの安定度、借地料の複利的増加——。この魅力に気づいた不動産投資家が群がった結果、軍用地は毎年のように値上がりしている。4~5年前に借地料の30倍(利回り3.3%)で取引されていた嘉手納飛行場の価格は62倍(利回り1.6%)まで上昇した。価格にして倍である。

 さすがに天井に近いのではないかと思うが、投資家の軍用地熱は冷める気配がない。特に、東アジアにおける米軍最大の空軍基地、嘉手納飛行場のように返還予定のない基地は永続的に借地料が入るため、売却情報が掲示されれば一瞬で消えていく。

 利回りが低下する中、それぞれが独自の才覚で勝機を見いだしている様子が見て取れるのではないか。サラリーマン大家には逆風が吹き始めているが、まだまだ行けるか、もうそろそろ限界か――。その判断は読者に委ねよう。