全3256文字

「150万円の自己資金で民泊物件はつくれる」

 新山氏のおすすめは賃貸物件を借り、銀行ローンで民泊仕様にリノベーションして宿泊客に貸し出すというビジネスモデル。「大阪の場合、ローンを引けば150万円もあれば1つの民泊がつくれる」(新山氏)

 ホテル開発が加速している大阪では将来的な供給過剰リスクもある。だが、新山氏は心配無用とばかりに胸を張る。

 民泊新法が施行される前、大阪では約1万2000室の民泊物件があった。そのときに新山氏の民泊物件に宿泊客が集まったのは、3つの原則を守ったからだ。その原則とは、日本を感じさせる古民家など民泊に向いている物件を選ぶ、立地と家賃をしっかりと吟味する、自分で物件を運営する——の3つだ。

 とりわけ3つ目の原則は重要だと指摘する。サラリーマン大家の場合、宿泊客とのやりとりなど面倒な業務は代行業者に丸投げしがち。だが、業者に外注すると顧客との接点が失われて差別化しづらくなると説く。「外注は負けパターン。今後、民泊物件が増えたとしても、人気のある物件とそうでない物件に二極化する。民泊に向いた物件を使えば勝てる」

アデランス時代に出会った「軍用地」

 小林氏や新山氏は大阪の民泊物件にフォーカスしているが、全く別の不動産を見ている投資家もいる。例えば、沖縄県那覇市でホテル業を営む三浦弘人氏は軍用地投資を積極的に進めている。

軍用地投資家として知られる三浦氏。自身もサラリーマン大家だったが、今はおもろまちでホテルを経営している

 不動産の世界で「軍用地」とは、米軍基地と自衛隊施設として利用されている土地のこと。第2次大戦後、米国は在沖縄米軍の機能を強化するため、沖縄本島中南部を中心に土地を接収した。その後、土地を奪われた地主が立ち上がり、使用料を求めて米国と争った。現在は日本政府が基地の借地料として土地の所有者にお金を払っている。

 三浦氏が軍用地の存在を知ったのは、かつらメーカー、アデランスの社員として沖縄を駆け回っていた22年前。かつらの代金を督促するため顧客のところを訪ねたときに、「借地料が入ればまとめて払う」と言われて初めて軍用地の存在を知った。

 「私は東京出身なので『何それ?』という感じ。帰社後、沖縄出身の上司に報告したところ『軍用地であれば大丈夫』と。軍用地の信用は絶大だった」。そう三浦氏は振り返る。その後、家庭の事情で転勤続きのアデランスを辞め、沖縄の大東建託で働き始めて軍用地投資の真の破壊力を知る。