過半数は規約を読まず

 公正取引委員会が19年4月に公表したアンケート調査結果では、個人情報に関する規約を「一度も読んだことがない」もしくは「ほとんど読んだことがない」と回答した人の比率は合計51%に上った。また規約を読んだとしても、自分の個人情報がどこでどう使われているかまでは書かれていない。それを知るためには個人情報の開示請求という煩雑なプロセスを踏まねばならない。

 大半の人々は個人情報の使用法を具体的に知ることなく、規約に同意するボタンを漫然とクリックしている。そして時折発生するデータ流出の報道を見て、個人情報が利用されていることを再認識し、不信感を募らせている。過去数年間、こんなことが繰り返されてきた。

 一方、プラズマの遠野氏による社会実験では、「録画した映像を他社や識者に見せ、報告書の作成に役立てる」と個人情報の使用目的を明らかにしている。そのうえで「被験者になってくれれば20万円を支払う」と実験への参加をネットで呼びかけた。

 無自覚なまま個人情報を提供させるのではなく、遠野氏の社会実験は人々に能動的な選択を求めた。被験者となることを選んだ人は「自宅内の映像を20万円で売る」ことを選択しており、知らぬ間に個人情報を抜かれていたという状況は生じ得ない。遠野氏は「人々が自分の意思で選択できる社会が、いい社会だと思っている」と語る。

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