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「使い方」を広げる

そんな中、他社も普及のためのキャンペーンなどに力を入れている。今後の競争をどう勝ち抜くのでしょうか。

中山氏:あまり競争と思ってないですよ。競争より、皆さんでキャッシュレスを一緒に盛り上げることが大事だと思います。現金に対して、どう使い勝手をよくするかということに、PayPayはフォーカスしていますし、たぶん各社もそうだと思います。

言い換えれば、まだ「対現金」の段階ということでしょうか。

中山氏:そうだと思います。まだまだですよね。

PayPayは認知率が98.9%で、利用率は37.2%。この差はどう感じられますか。

中山氏:61.7%の方はご存じいただいているのに使ってもらえていない。この人たちの声を聞かなくてはならない。1つは、使い方が分からないということがあるかもしれません。株主であるソフトバンクの携帯電話は全国のショップで販売されており、そこでPayPayの使い方を教える仕組みを始めています。また、初めて使う人やあまり使っていない人向けに表示される「PayPayはじめてガイド」も充実させようと進めています。そういった地道な活動も大事と思います。

PayPayを導入したが、1カ月の間、一度も使っていないという地方の店舗もあります。

中山氏:僕たちのデータだと、全国で使われています。もちろん、人口が多い東京の頻度が高いのは確かで、場所によってまだ差があります。地域で一番人が来るスーパーにPayPayが導入されていたら、頻度も高いとか。先ほど申し上げた、使い方が分からない、という課題があるのかもしれません。

政府はキャッシュレス決済比率を2025年に40%に高めるとしています。将来は80%というさらに高い目標も掲げています。今後、普及の加速には何がポイントになるでしょうか。

中山氏:現金と取って代わらないといけない。現金にできていないことを提供する必要があります。僕たちは、生活のあらゆる不便を便利に変えたいと思っています。現在はリアル店舗の開拓に集中していますが、(インターネット通販など)オンラインで使える場面も増やしたいですし、個人間送金も増やしたい。投資商品の販売や個人向け融資も行う中国の「支付宝(アリペイ)」やPaytmのアプリのような「スーパーアプリ」は海外では既にあります。

来年6月に国のポイント還元制度が終了した後、利用率は減るでしょうか。

中山氏:そういうふうには考えていません。一度使って、便利なら使い続けたいと思うのではないでしょうか。(ポイント還元がなくなっても)その利便性を犠牲にして元に戻れますか? 僕はもっと利便性を追求するタイプです。