しかし2年目の夏、田代氏は突然、上司に退職の意思を告げる。理由は、入社時に高い評価を受けた留学経験そのものだった。
「欧州での仕事でフランス語を活かせると期待してA社に入ったが、実際に担当になったのはアジア圏。その時点でモチベーションは低下しかけていた。それ以上に、留学中にフランス人の働き方をよく見ていたので、業務や課題漬けの非効率な長時間労働が本当に必要なのか疑問だった」(田代氏)
田代氏が知る欧州の働き方は、「決まった勤務時間内で全力を出し、短い時間で高いパフォーマンスを出す」というもの。しかし、A社での新人の仕事は量ばかり膨大で、効率を上げて私生活も充実させようという発想は皆無に思えたという。
たどり着いたのは欧州の小国
そうしてA社を退職した田代氏は、自らの望む働き方に近い企業を国内で探すどころか、日本を飛び出して欧州に渡る。各国を旅しながらインターネットを駆使して仕事を探し、結果的に欧州フランス語圏の素材メーカーB社への就職を決めた。B社は従業員数300人程度の規模ながら、自社製品で欧州市場をほぼ独占する優良企業。田代氏に任されたのは、日本企業からB社に出向した技術者の通訳だった。








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