22の外部機関との協業でロボットが完成

 ヒアリングには、現場を開発に巻き込むという狙いもあった。実際に使うのは現場。「本社で勝手にやっているプロジェクトだな、と思われてしまったら『面倒なだけ』と使ってもらえないこともあり得る」(印藤氏)。開発の計画立案に最初から参加してもらうことで、自分にも関係があると感じてもらうことを意識した。

 過去の経験や現場の声から、「面倒くさくて難しい」「世話が焼ける」というかつてのロボット像が明確になった。そこで「設置不要で自律移動する」「複数のロボットが協働作業する」などのコンセプトを策定。「どんなロボットが欲しいか」を考え抜き、外部のメーカーや研究者などの協力を仰ぎ、結果的に22の外部機関との協業で作ったのが、ロボキャリアなどの新しいロボットだ。

 現在8台が稼働するロボキャリアは今年5月までに16台に増える見込み。「今年は10くらいの現場でロボットを活躍させたい」(印藤氏)。だが、まだ完璧ではない。「失敗データも集めながら、どんどん学習して進化させたい」と意気込んでいる。

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