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「自分の国は自分で守る」という考えも

今回の選挙では憲法改正の議論も注目されましたが、実際には大きな争点にはならなかったように見えます。

岡藤氏:憲法改正を訴えても、軍備拡張をするのかといった批判が巻き起こりかねず、普通は積極的には争点にしないものだ。消費税もそうだが、嫌なことは争点にはなりにくい。

 だが、安倍政権には、財政再建に加えて、憲法改正を含めた安全保障の議論をしっかりとすることを期待したい。日米貿易交渉では、将来の日本の成長を考えて安易な妥協はできないけれども、当面、我々は米国に安全保障を頼らざるを得ない。

 もうすぐ戦後75年を迎える。今の憲法は、米国が一番強かった状況の中で作られたものだが、世の中は大きく変わってきている。トランプ大統領が日米安全保障条約の見直しを示唆したとの報道もあったと聞く。

 憲法を改正するかどうかはともかく、憲法改正も含め、安全保障について議論はしないといけない。財政再建と並び、安全保障の議論を安倍政権のうちに進めてもらいたい。

それは、政権が安定していないと、財政再建や安全保障といった長期視点の議論はしにくいからですか。

岡藤氏:そうだ。特に外交では、トップが頻繁に変わっていては話を進めることができないだろう。今は安倍首相とトランプ大統領の信頼関係があるから、日米の外交がうまくいっているようなところがある。信頼し合っていて妥協点を見いだせる状況と、初めから「あいつの言うことは信用ならん」という状況とでは大違いだ。

 やはり、日米トップの人間関係がうまくいっているのであれば、それを維持するような政権が続くことが大切だ。

 外国のトップが日本に来るたびに日本の首相が変わっていたら、話をする気にもならないだろう。我々もお客さんのところへ行くとき、頻繁にトップが変わっていたら信用できなくなる。ある程度、長期的な政権であることは必要だ。

 風見鶏のような外交をしていてはダメだ。今後、日本が生きるべき道は何か。特に日本が強い部分を評価して、そこを守るためにはどうしたらよいか。

 

 そのためにも、安全保障の問題で、今後は自分の国は自分で守るという考えも持っていかないと、いずれ大変なことになるかもしれない。米国も中国も非常に強い。とはいえ、日本は米中に伍(ご)すことができなくても、何もしないわけにはいかない。これは、国民が真剣に考えていくべきことだ。