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 強い定番があれば経営に有利だが、育てるのは年々難しくなっている。店頭の2900品目のうち入れ替えは毎週100品目──。セブンイレブンは売れ筋に特化した商品戦略を進めて棚の商品を次々に入れ替えている。ロングセラーや定番といえども売れ行きが鈍れば、売り場を確保できなくなる。

 PLCも短くなった。「ものづくり白書2016年版」によると、企業にPLCについて聞いたところ、電気機械の34.7%が10年前に比べ「短くなっている」と答え、「長くなっている」は6.4%。全ての産業で「短くなった」が「長くなった」を大幅に上回った。短くなった理由のトップは「顧客や市場のニーズの変化が速い」で53.5%。ネットやSNSを通じ、話題の商品を探す消費者は移り気だ。

今も10%成長のポカリ

 それでもヒット商品から定番へと評価を高めるにはPLCの限界を超えるチャレンジが欠かせない。下のグラフを見てほしい。大塚製薬の機能性飲料「ポカリスエット」は発売から39年が経過したが、国内外ともに18年度に前年度比で1割前後も出荷が伸びている。

発売から40年近く経過しても販売を維持している
●ポカリスエットとカロリーメイトの出荷数量
出所:大塚製薬
注:1ケースはポカリスエットが24本、カロリーメイトは120本が中心。カロリーメイトは海外で販売していない。数量を開示した2006年度以降の出荷

 ポカリスエットはCM好感度が高く、業界では「安易に安売りしない」ことで知られる。高い製品力に裏打ちされたたゆまぬ努力が結果に結びついている。販売開始から33年となるローソンの「からあげクン」もコラボ商品の投入や鶏肉の国産化といったテコ入れを重ねて売り上げを伸ばす。

 定番が成立しにくい時代、企業はどのようにロングセラーをつくり、維持していけばいいのだろうか。日経ビジネス2019年7月22日号の特集「定番のつくり方」では、定番を生み出した担当者の執念やひらめき、高い評価が定着した後も商品が進化し続けている実態を取り上げた。