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 ドラッグストア業界で注目の争奪戦が進んでいる。業界5位のマツモトキヨシホールディングス(HD)が4月26日、7位のココカラファインと資本業務提携に関する協議を始めることで合意した。すると6位のスギHDがその翌日、ココカラに経営統合を正式に打診。結局、ココカラは6月1日にスギHDとも経営統合に向けた協議を開始すると決め、「どちらとの統合が企業価値を高めるか」を評価する外部有識者による特別委員会を立ち上げ、7月末めどの答申を待っている状態だ。そのモテモテ状態のココカラは、物流改革を進めている。キーワードは「ハイブリッド」だ。

ココカラファインは都市部に店舗が多く、化粧品と調剤に強みがある

 ドラッグストア業界では近年、中小規模のチェーンを大手が高値で買収する構図が続いてきた。だが、トップ10に入る大手同士の統合は起きていない。医薬品販売の粗利を原資に、食品を安売りするなどしてスーパーやコンビニの顧客を奪い、業界自体が成長してきたからだ。

 各社が店舗を増やす中、物流に関しては戦略が分かれている。業界3位のコスモス薬品は自社で物流センターを抱え、1位のツルハHDは卸に委託している。今回、争奪戦の対象となっているココカラは独自の物流戦略に乗り出している。

 日経ビジネス7月8日号の特集 「再考 持たざる経営」では、店舗や人、物流などで企業が何を「持つか」「持たないか」の戦略が業種や企業によって分かれてきたことをレポートした。

 ココカラは全国で1300以上のドラッグストアを運営する。その店舗に日々補充される商品は、トランスファーセンター(TC、通過型センター)と呼ばれる拠点で仕分けされ、各店舗に配送される。ココカラのTCは現在、千葉、埼玉、広島、愛知、大阪など全部で9カ所。メーカーや卸から朝届く段ボールやケースを開梱し、仕分けして、夜、店舗に送り出すのがTCの機能だ。

 ココカラはこうした業務をこれまで、外部の3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)業者に委託していたが、今年8月から埼玉県所沢市のTCについては自社で運営を始める予定だ。具体的には現在作業を担当する従業員を自社雇用に切り替え、TC機能を「持つ」ようにするという。

 「TCの作業を自社でやっていれば、外部環境の変化に合わせてコストコントロールが柔軟にできる」。尾池泰之上席執行役員は、切り替える理由をこう説明する。例えば、TCの人手が足りず、時給の引き上げなどでコストがかかってしまう場合。3PLに委託していれば、こうした外部環境を理由に値上げを要請され、のまざるを得ない可能性がある。